RBAイベントと豪ドル/米ドルの焦点 / 豪ドル米ドルと豪ドル円の焦点
サマリー:「豪RBAのイベントに注目。豪ドル買いの展開が見られても中長期のスパンでは下落リスクを警戒したい。豪ドル/米ドルと豪ドル円の焦点は?」。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
RBAイベントと豪ドル/米ドルの焦点
今日は豪準備銀行(RBA)の会合がある。今回の会合でRBAは、現行の量的緩和政策(1,000億豪ドル規模)について何らかの修正をしてくる可能性がある。
新型コロナウイルスのデルタ型変異株の感染拡大によりシドニーがロックダウンに追い込まれるなど、未だ豪州はコロナリスクに直面している。一方で、経済は徐々に回復している。これらの状況を考えるならば、RBAは量的緩和政策を維持しながら、購入額についてはフレキシブルに対応するスタンスを示す可能性があろう。今回の会合で資産の購入額を縮小することを示唆しても、少なくとも2024年までオフィシャルキャッシュレートを現行の0.1%に維持する方針を示すことでバランスを取ってくる可能性がある。
金融政策の正常化レースでFRBがRBAに一歩リードしている状況を考えるならば、今回の会合が豪ドル買いのイベントとなっても豪ドル/米ドル(AUDUSD)は、中長期スパンでは下値トライを意識すべき局面にあると考えている。
なお、今回は会合の後にロウ総裁の会見が予定されている(日本時間15時予定)。金融政策に関する言動が豪ドル相場に影響を与える可能性があるため注視したい。
今週の豪ドル/米ドルのチャートポイントは、21日EMA(今日現在0.7583レベル)のトライとなるか?まずはこの点に注目したい。
米株が最高値圏での攻防を維持するタイミングでRBAイベントが豪ドル買い要因となれば、20日線をトライする展開を予想する。
MACDでは反転のシグナルが点灯しつつある。
20日線を上方ブレイクする場合は、0.76台への上昇が焦点となろう。先月下旬は、この水準付近で上値が抑制された経緯がある。
0.76台の攻防となる場合は、50日EMA(今日現在0.7645レベル)を次の上値ターゲットと想定したい。
豪ドル/米ドルが各EMAをトライする展開となっても、上で述べたFRBとRBAの関係を考えるならば、豪ドル/米ドルの反発は調整の動きであることを意識しておきたい。
一方、下値の焦点は、今月1~2日にかけてローソク足の実体ベースで相場をサポートしたフィボナッチ・プロジェクション50.0%の水準0.7467および2日安値0.7446の維持となろう。
これらサポートポイントを下方ブレイクする場合は、61.8%の水準0.7432レベルの攻防に注目したい。
豪ドル/米ドルのチャート
豪ドル円の焦点
一方、豪ドル円(AUDJPY)は、今月に入り上値を抑制している10日EMA(今日現在83.60レベル)の突破に成功している。
ドル円の上昇、米株高トレンドの維持、国内のコロナ対策の後手後手とそれに伴う景気回復の遅れ、日銀による金融緩和政策の長期化、さらには豪ドル/米ドルと同じくMACDで反転のシグナルが点灯しつつあるという状況も考えるならば、今週の豪ドル円の焦点は84円台のトライとなろう。84.00レベルには50日EMAが推移している。
21日EMA(今日現在83.84レベル)の上方ブレイクは、84.00を目指すシグナルとなり得る。
一方、下値の焦点は83円台の維持となろう。
82円台の攻防へシフトする場合は、6月下旬に二度相場をサポートした82.80レベルで三度反発するかどうか?この点に注目したい。リスク回避相場による豪ドル売りの展開とならない限り、今週は後者の水準(82.80レベル)を下方ブレイクする可能性は低いと予想する。
豪ドル円のチャート
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