反発基調の米金利 雇用統計後の反応に注目 / 豪ドル米ドルとドル円の焦点
サマリー:『今週は、6月米雇用統計後のドル相場と2年債利回りの動向に注目。良好な米雇用統計となる場合、豪ドル/米ドルは下落リスクを警戒。ドル円は111円台の維持が焦点。上下のチャートポイントは? 』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
反発基調の米金利 雇用統計後の反応に注目
米国の債券市場では、1.5%の水準で上昇が抑制されていた10年債利回りが1.52%までジワリと反発している。一方、6月のFOMC以降、上下に大きく振れていた2年債利回りも0.27%台まで反発している。
米金利の反発基調が続くかどうか?今週は、米国の重要指標データがその鍵を握ろう。
中でも注目されるのが、6月の雇用統計である。労働市場の力強い改善は、連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策の正常化を推し進める最大の理由となる。よって、今回の雇用統計が総じて市場予想を上回る場合、各市場はFRBの政策転換を意識する可能性が高い。
この場合、米債市場では2年債利回りに上昇圧力が高まる展開が予想される。このケースで注目したいのは、米ドル相場との相関性である。6月のFOMC以降、2年債利回りと米ドル相場(ドルインデックス)のトレンドがほぼ一致している。
同じ状況が米雇用統計後でも確認できれば、今後は2年債利回りが米ドル相場のトレンド決定要因となっていく展開が予想される。
米2年債利回りとドル相場のチャート
豪ドル/米ドルの焦点
FRBによる金融政策の正常化が意識される中で良好な雇用統計となれば、それは最高値圏にある米株の調整売り圧力を高める要因となり得る。
よって、株式との相関性が高い豪ドル/米ドル(AUDUSD)は下値トライを警戒したい。
今週の下値の焦点は、下落トレンドを一度止めている0.7480レベルの維持である。この水準を下方ブレイクする場合は、昨年9月1日の高値0.7416レベルがレジスタンスからサポートへ転換するかどうか?この点を確認したい(端的に言えば0.74台の維持が焦点)。
一方、上値の焦点は21日EMA(0.7637レベル)および50日EMA(0.7682レベル)の攻防に注目したい。どちらのEMAも過去にサポートラインとして意識された経緯がある。
これらがレジスタンスラインへ転換する場合、豪ドル/米ドルの地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。
豪ドル/米ドルのチャート
ドル円の焦点
ドル円(USDJPY)は、111円台の維持が焦点となろう。
現在のドル円は、金利の動向に左右される状況が続いている。金融政策の正常化レースでFRBが日銀に一歩リードしている状況を考えるならば、調整の反落を挟みながら、ドル円はさらに上値をトライする展開が予想される。
このシグナルとして注目したいのが、111円台の維持である。先週は111円台へ上昇する局面が見られた。しかしその維持には失敗した。雇用統計を含めた重要指標データが総じて市場予想を上回る場合は、FRBの政策転換と景気回復が意識されることで、日米の利回り格差が拡大することが予想される。
ドル円が111円台の維持に成功する場合、次の焦点は昨年のコロナショック時(2~3月)にドル円の上値を抑える局面が見られた111.70の攻防となるか?この点に注目したい。
この水準を上方ブレイクする場合は、112円台への上昇および112.21レベル(昨年2/20高値)のトライが焦点として浮上しよう。
一方、下値の焦点は短期サポートラインの維持となろう。このラインは今週、109.90から110.10のレベルで推移する。筆者が注目している50日EMAは今日現在、109.54レベルまで上昇している。
ドル円のチャート
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