低下基調の米金利 パウエル講演後の流れが続く / ユーロドルとドル円のポイント
サマリー:「パウエル講演後、米金利には低下の圧力か強まっている。目先は指標データに対する反応に注目。ユーロドルとドル円のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
低下基調の米金利 パウエル講演後の流れが続く
30日の米債市場では、長期金利が1.3%の水準を割り込み1.28%台まで低下した。この動きを受け実質金利(10年)もマイナス1.08%台と、マイナス幅が拡大している。
先週27日の講演でパウエルFRB議長は、利上げを急がないスタンスを示した。これを受け米金利の低下圧力が高まり、週明けもその流れが続いた状況を考えるならば、短期的に米金利は低空飛行の状態が続く可能性がある。
米長期金利のチャート
今週は、米国経済の先行きを考える上で重要な指標データが発表される。本日は8月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)と住宅関連指標が発表される。これら指標データが予想を上回る場合、米金利が上昇で反応するかどうか?この点をひとつひとつ確認したい。
米金利が上昇する局面では米ドル買い優勢を想定しておきたい。良好な指標データに対して米金利の反応が鈍い場合は、米ドル売りを意識したい。
FRBは、金融政策の正常化に向かって舵を切り始めている。この状況を考えるならば、金利の低下で米ドル安の局面が見られても、中長期のスパンでは米ドル高のトレンドを意識しておきたい。
事実、ドルインデックス(DXY)のトレンドを確認すると、レジスタンスとして意識されていた50日EMA(今日現在92.44レベル)を6月下旬に上方ブレイクしている。そして調整の反落時には50日線にサポートされ、上昇トレンドを維持している(2つの短期サポートラインより上で推移している)。米金利が低下基調にある中でもドルインデックスが上昇している状況は、FRBの動向を意識しての動きと考えられる。
ドルインデックスのチャート
ユーロドルのポイント
ユーロドル(EURUSD)は、米ドル売りにサポートされ反発基調を維持している。テクニカル面では、短期レジスタンスラインの突破に成功している。
次の焦点は、50日EMA(今日現在1.1824レベル)のトライおよびブレイクである。8月を挟んで50日線は相場の戻りを止めた経緯がある。また、今年の4月と5月上旬には相場をサポートした経緯がある。これらの動向は、50日線がテクニカルラインとして意識されやすい状況にあることを示唆している。
スローストキャスティクスが「買われ過ぎ」のレベルまで上昇している状況も考えるならば、50日線で反落する展開を想定しておきたい。
逆に50日線をも突破する場合は、89日EMAを視野に上昇する展開を予想する。89日線は現在1.1879レベルにある。この水準は、7月上旬にレジスタンスポイントとして意識された経緯がある。
一方、ユーロドルが反落する場合は、先週27日の安値1.1733レベルおよび1.1720台を維持できるかどうか?これらの点に注目したい。
ユーロドルのチャート
ドル円のポイント
ドル円(USDJPY)は、トライアングルの攻防が続いている。株高のみでは110円台へ上昇する局面が見られても、その水準の維持が難しいことは8月中旬以降の動向が示唆している。よって、本日も110.00レベルと今月19日以降、レジスタンスポイントとして意識されている110.20前後では反落リスクを意識したい。
一方、下値の焦点は短期サポートラインの維持で変わらず。今日現在、このラインは109.56レベルにあり、89日EMAがこのラインとクロスしている。昨日の安値109.69レベルを下方ブレイクする場合は、これらテクニカルポイントをトライする展開を想定しておきたい。
ドル円のチャート
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