メキシコペソが5.5円に迫る、昨年3月以来 原油高支えに
メキシコペソの強含みが続いている。ペソの対円相場は日本時間2日夜に約1年1カ月ぶりの高値となる5.45円付近まで上昇。節目の5.5円が視野に入った。原油相場の上昇が産油国メキシコの通貨の押し上げに貢献した。
外国為替市場でメキシコペソの強含みが続いている。ペソの対円相場は日本時間2日夜(現地時間同日朝)に約1年1カ月ぶりの高値となる5.45円付近まで上昇。節目の5.5円が視野に入った。原油相場の上昇が産油国メキシコの通貨の押し上げに貢献した。ペソは5日午前も堅調に推移している。
ペソの対ドル相場も上昇した。2日夜に20.2ぺソ台まで上値を伸ばし、2月中旬以来の高値を付けている。2日の外為市場は復活祭の祝日のため閑散となったが、ペソは高値を維持した。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国から成る「OPECプラス」は1日、5月以降の協調減産の段階的な縮小を決めた。
それにも関わらず、原油相場の需給を楽観する見方から価格は上昇し、1日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)ではWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月限が1バレル=60ドル台を回復。5日のアジア時間でも原油の強地合いは続いている。
バイデン米大統領が1日(同3月31日)に発表した2兆ドルのインフラ投資計画も引き続き、ペソを支えている。メキシコの輸出の約8割は米国に向けられており、米国の大規模な財政出動がメキシコ経済にも恩恵をもたらすとの見方は多い。
インフレ動向
メキシコ銀行(中央銀行)は3月25日の金融政策決定会合で、政策金利をほぼ5年ぶり低水準の4%に据え置いた。中銀は新型コロナウイルスの感染拡大による経済への打撃を考慮し、2月の会合で3会合ぶりに0.25%の利下げを実施していた。
一方、足元でインフレ率が上昇しており、3月前半の消費者物価指数(CPI)は中銀の政策目標上限である前年同期比4%を上回った。国立統計地理情報院(INEGI)は8日に3月のCPIを発表する。
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