メキシコペソが5.5円後半、1年3カ月ぶり高値 与党勝利で政情不安回避
9日の外国為替市場でメキシコペソの対円相場が5.5円台後半へと上昇。約1年3カ月ぶりの高値をつけた。6日実施のメキシコの連邦下院中間選挙で与党連合が議席数を減らしながらも過半数を確保し、政情不安が回避されたことが背景にある。
9日の外国為替市場でメキシコペソの対円相場が5.5円台後半へと上昇。約1年3カ月ぶりの高値をつけた。6日実施のメキシコの連邦下院中間選挙でロペスオブラドール大統領の国家再生運動（MORENA）を中心とする与党連合が議席数を減らしながらも過半数を確保し、政情不安が回避されたことが背景にある。
ぺソの対ドル相場も1ドル＝19.6ペソ台後半に上昇。1月下旬以来の高値を付けた。
2018年12月に大統領に就任した左派のロペスオブラドール氏は、民間の事業を制限する施策を導入してきたが、中間選挙での与党連合の勝利で政情不安が回避されたことを市場が安堵し、ペソ買いへとつながった。
また、MORENAが議席数を大きく減らしたことで、今後は過度に急進的な政策を導入しにくくなるとの見方もペソを支持している。
次の材料はメキシコ国立統計地理情報院（INEGI）が9日に発表する5月の消費者物価指数。市場は前年同期比5.86％の上昇を予想している。
4月の同6.08％の上昇には届かない見通しであるが、メキシコ銀行（中央銀行）の目標上限である4％を引き続き大きく上回ることが見込まれている。
中銀は5月の金融政策決定会合で、政策金利を4.0％で据え置くことを決定している。インフレ率が上昇している一方、コロナ禍で経済状況が厳しいことに配慮した。
しかし、会合後の声明で、インフレ率3％の目標（中央値）に向けて管理していく必要があると明言したことで、市場では19年8月から続いてきた利下げ局面が終了し、中銀は今後利上げに踏み切るとの見方が出ている。
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