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アマゾン、クラウド事業減速か 8月3日決算発表 株価下落のおそれ

アマゾンが8月3日に発表する4-6月期決算はクラウド事業が焦点。成長減速ならマイクロソフト同様に株価下落のおそれも

出所:ブルームバーグ

アマゾン・コムが8月3日に発表する2023年4-6月期決算はクラウド事業の成長率が焦点だ。アマゾンは4月の1-3月期決算発表時、4月のクラウド事業の収入が悪化していることを明かして株価が急落。株価はその後、順調に回復しているが、4-6月期決算でもクラウド事業の低調さが明らかになれば、株価に売り圧力がかかる可能性がある。すでに4-6月期決算を発表したマイクロソフトはクラウド事業の減速が嫌気されて株価下落を招いただけに、アマゾンの結果にも注目が集まりそうだ。

アマゾンの2023年4-6月期決算は増収増益の予想

アマゾンは3日の取引時間終了後に4-6月期決算を発表する。決算会見は3日午後5時30分(日本時間4日午前6時30分)から予定されている。金融情報会社リフィニティブのデータによると、アマゾンの4-6月期決算は、総収入が前年同期比8.4%増の1314.65億ドルが予想されている。1株当たり利益は0.35ドルの予想で、前年同期の0.2ドルの赤字から黒字に転換する見通し。アマゾンは過去13回の四半期決算のうち、4回で総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益では5回、市場予想をクリアできなかった。

アマゾン・コムの業績(総収入、1株当たり利益)の推移

アマゾンの株価(AMZN)は2022年に49.6%下落。2度にわたる赤字決算が投資家からの信頼を損ない、S&P500種株価指数(SPX)の19.4%や、ナスダック総合指数の33.1%といった下落率を超える厳しい値下がりだった。アマゾンの株価は2023年に入ってからは大きく上昇しており、26日終値(128.15ドル)までの上昇率は53%に達している。

リフィニティブによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は59.1倍。クラウド事業でライバル関係にあるマイクロソフト(30.2倍、MSFT)や、アルファベット(21.1倍、GOOGL)よりも大きく割高だ。アナリストが提示する目標株価の平均は143.17ドル。7月に入ってから目標株価を155ドルや160ドルに引き上げる動きも出ている。55人のうち17人が強い買い、35人が買いを推奨。2人は維持、1人は売りを勧めている。

1-3月期決算発表時は株価が荒い値動きに

2023年に入って堅調に上昇しているアマゾンの株価だが、4月27日の1-3月期決算発表時は荒い値動きに見舞われた。総収入と1株当たり利益がともに市場予想を上回ったことで、株価は時間外取引で一時、11%超値上がりしたものの、決算会見で4月のクラウド事業の収入の伸び率が「1-3月期よりも5%ポイント低い」ことが明かされると、株価が急落した。翌28日の終値は前日終値比4.0%安、週明けの5月1日も3.2%安となった。

アマゾンのクラウド事業の収入は前年同期比4割程度の伸びを記録することも珍しくなかったが、2022年10-12月期には20.2%まで低下。さらに2023年1-3月期には15.8%まで落ち込んだ。リフィニティブによると、4-6月期は9.8%の伸びにとどまると予想されている。クラウド事業をめぐっては、世界的な物価上昇を受けて主要な中央銀行が利上げを進める中、企業がクラウドサービスへの出費を抑える傾向が出ているという。一方、クラウド事業は人工知能(AI)サービスを顧客に提供するための基盤と位置付けられており、投資家は高い成長を期待している。

アマゾン・コムのクラウド事業の収入と伸び率の推移

マイクロソフトは25日に発表した4-6月期決算で、クラウド事業の成長率が15.3%まで低下した。事前予想は上回る水準だったが、3四半期連続の低下に投資家は納得しなかったもようで、翌26日の終値は前日比3.8%安となった。アマゾンが8月3日の4-6月期決算発表で、同様の株価下落圧力にさらされる展開も考えられそうだ。


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