マイクロソフト、クラウド成長減速 4-6月期決算 株価4%超下落
マイクロソフトの4-6月期決算は市場予想を超える好決算。しかしクラウド事業の成長減速が不安視され、株価は下落した。
マイクロソフトが25日の取引時間終了後に発表した2023年4-6月期決算はクラウド事業の成長に不安が感じられた。総収入と1株当たり利益はいずれも前年同月比プラスで、事前予想を超える好決算。しかしクラウド事業の成長率は3四半期連続で低下し、かつての勢いが失われている状況が目立った。マイクロソフトの株価(MSFT)は25日の時間外取引で4%超下落しており、2023年に入って4割超の上昇を続けてきた株価に冷や水がかかった。
マイクロソフトの2023年4-6月期決算は市場予想超え
マイクロソフトの4-6月期決算は総収入が前年同期比8.3%増の561.89億ドル、1株当たり利益が20.6%増の2.69ドルだった。金融情報会社リフィニティブによると、直前の予想は総収入が554.70億ドル、1株当たり利益が2.55ドルで、マイクロソフトの実績は予想を超える好決算だったといえる。
しかしマイクロソフトの収入の4割超を占める稼ぎ頭で、人工知能(AI)サービスの提供基盤にもなっているクラウド事業の収入は239.93億ドルとなり、前年同期比15.3%の成長だった。13.6%程度だった事前予想を上回ったとはいえ、成長率は1-3月期の16.3%から低下した形。クラウド事業の成長率は2022年7-9月期の20.1%から3四半期連続で、前四半期よりも小さくなっている。かつては30%を超えた時期もあっただけに、かつてのような成長が見込めなくなっている様子が感じられた。
ナデラCEOはクラウドの成長性に自信を表明
一方、同じ25日に4-6月期決算を発表したアルファベットは、クラウド事業の成長率が28.0%となり、1-3月期とほぼ同じ水準だった。クラウド事業の収入の規模はマイクロソフトの方が3倍近く大きいが、成長性で明暗が分かれた形だ。マイクロソフトは7-9月期についてもクラウド事業の成長率は15-16%になるとみている。
ただしマイクロソフトはクラウド事業の成長性に自信をみせている。サティア・ナデラCEOは25日の決算会見で、企業がクラウドサービスの活用に軸足を移す動きはまだ始まったばかりだとの見方を強調。長期的にみたクラウド事業の成長期待という視点に立てば、次々と人々がクラウドに集まる「クラウド移民」が続いていると説明した。
しかし25日の株式市場はクラウド事業の足元の成長性に不安を感じたようだ。マイクロソフトの株価は2023年に入って25日の終値までに約44%上昇しているが、25日の時間外取引では一時、335ドル程度まで下落。決算発表直前の350ドル台後半から4%超値下がりした。一方、リフィニティブによると、アナリストが提示するマイクロソフトの目標株価は日本時間26日午後1時段階で377.12ドルとなっている。
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