アップル、株価上昇 1-3月期見通しを好感 iPhone販売は不振
アップルの10-12月期決算は市場予想を超える結果。1-3月期の見通しも投資家を安心させた。今後は出遅れいているアイフォン16の販売動向が注目される。
アップルが30日の取引時間終了後に発表した2024年10-12月期決算は総収入と利益がともに市場予想を上回った。また決算会見で示された2025年1-3月期の見通しは、総収入の成長加速に期待をもたせる内容で、投資家に好感された。30日の時間外取引ではアップルの株価は3%上昇している。ただ、主力製品であるスマートフォンのiPhone(アイフォン)の10-12月期の販売額は予想を下回り、不振ぶりも目立つ。アップルは人工知能(AI)サービスの地域的な拡大が買い替え需要を促すとみており、株価の今後の見通しはiPhone販売の動向で左右されそうだ。
アップルの2024年10-12月期決算は市場予想超え
アップルの10-12月期決算は、総収入が前年同期比4.0%増の1243億ドルで、前四半期(7-9月)の6.1%増から成長が減速。1株当たり利益(EPS)は10.1%増の2.4ドルで、やはり前四半期(12.3%増)から伸び率が下がった。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が1241億ドル、1株当たり利益が2.35ドル。発表された実績はいずれも予想を上回る結果だった。
2025年1-3月期は成長加速に期待も アップルの株価は時間外取引で3%高
またアップルのケバン・パレクCFOは30日の決算会見で、2025年1-3月期の総収入の伸び率について「1桁台前半から半ば」との見通しを示した。10-12月期からの成長加速も期待させる、市場予想の5.0%増に近い水準といえる。
こうした発表内容を受けて、アップルの株価(AAPL)は上昇した。30日の時間外取引は244ドル台で終えており、直前の終値(237.59ドル)からは3%超の値上がりだ。アップルの株価は12月26日につけた259.02ドルをピークとして下落基調となっていたが、底打ちの見通しを強める値動きとなった。
アイフォンの販売は不振 中華圏市場は11%超の減収
ただ、10-12月期の業績は決して好調とはいえない。アイフォンの販売額は前年同期比0.8%減で、9月に投入した「16」シリーズが販売増につながらなかった形。一方ではアプリ販売や音楽配信などのサービスによる収入が13.9%増という高い成長を維持しているものの、総収入の半分を占めるアイフォンの不振はアップルの業績にとって痛手だ。
またアップルと生産と販売の両面で関係が深い、中華圏市場(中国、香港、台湾)の収入は前年同期比11.08%減。6四半期連続での減収となった。ティム・クックCEOは決算会見で中国市場について「10-12月期の初めから終わりにかけて流通在庫が減少した」と言及。中華圏の販売減少額の半分以上は、こうした流通在庫減少の影響によるものだと説明した。
アップル・インテリジェンスでアイフォンの復活なるか
こうした中、アップルの株価の今後の見通しはアイフォンの販売動向にかかってきそうだ。16シリーズの看板機能であるAI機能のアップル・インテリジェンスは、米国英語以外での展開が始まりだした段階。2025年4月からは日本語、簡体中国語、スペイン語、フランス語などでの展開も始まる。クック氏はアイフォン16シリーズの前年比での伸び率について、「アップル・インテリジェンスが展開された地域の方が未展開の地域よりも高い」と述べており、見通しへの自信もみせている。
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