アップル、中華圏の成長に不安 株価下落 今四半期の見通しにも弱さ
アップルの7-9月期決算は市場予想を超えたが中華圏はマイナス成長。10-12月期の見通しも投資家の期待に応えられず、株価は下落した。
アップルが10月31日の取引時間終了後に発表した2024年7-9月期決算は今後の成長に不安を感じさせる内容だった。7-9月期の総収入は市場予想を超えたものの、競争が激化している中華圏での収入は市場予想を下回る結果。決算会見で示された10-12月期の総収入の見通しも投資家の納得を得られず、株価は下落した。アップルが9月に発表したiPhone(アイフォン)16シリーズは人工知能(AI)機能が売り物だが、サービスの世界的な展開は段階的に進めていく計画で、かつてのような販売の急激な増加が見込めない可能性もありそうだ。
アップルの2024年7-9月期決算は総収入も利益も市場予想超え
アップルの7-9月期決算は総収入が前年同期比6.1%増の949.30億ドルで、4-6月期の4.9%から成長が加速。ブルームバーグがまとめた市場予想の943.56憶ドルを上回った。また、1株当たり利益(EPS)は0.97ドルだが、欧州当局からの追徴課税の影響を除いた調整ベースでは1.64ドルとなった。前年同期比12.3%増にあたる水準で、市場予想の1.60ドルも超えた。
中華圏は5四半期連続のマイナス 中国政府の景気刺激策の効果は不透明
ただ、アップルの7-9月期の実績には弱さも感じられた。地域別の収入の内訳では中国を含む中華圏が150.33億ドルとなり、前年同期比0.34%減。5四半期連続のマイナスとなった。市場予想の158.04億ドルを下回り、金融市場では期待外れと受け止められたようだ。中国経済は減速懸念がつきまとい、政府も景気刺激策を打ち出しているが、ティム・クックCEOは景気刺激策の効果について「エコノミストではないので効果については軽々しく口にできない」と述べるにとどめた。
10-12月期の伸び率は1ケタ台前半から半ばの見通し 株価は下落
また、ルカ・マエストリCFOは決算会見で、10-12月期の総収入について「1ケタ台前半から半ば」の成長との見通しを示した。金融市場では7%程度の成長が見込まれていただけに、やはり投資家の期待には応えられなかった形だ。
こうした発表内容を受けて、アップルの株価(AAPL)は時間外取引で下落。221ドル程度で取引を終え、直前の終値(225.91ドル)からは約1.8%の値下がりとなった。アップルの株価は8月1日の4-6月期の決算発表では、7-9月期の見通しが好感されて時間外取引での小幅な値上がりにつながったが、今回は異なる展開となった。
アイフォン16の販売の見通しがカギ 過去の新製品とは異なる展開か
アップルの株価の今後の見通しは、10-12月期の総収入に9月に発表されたアイフォン16シリーズがどれだけ貢献できるかにかかってきそうだ。7-9月期のアイフォンの販売額は462.22億ドルで、前年同期比5.5%増。市場予想の450億ドルを上回っており、これまでの販売は好調のようにみえる。
しかしアップルはアイフォンの10-12月期の販売見通しについては水準を示唆せず。クック氏は16シリーズのセールスポイントであるAIサービスの「アップル・インテリジェンス」は既存機種の所有者の買い替え需要を引き出す十分な効果が期待できるとしつつ、米国英語以外での言語への展開や機能の増加はこれから始まると指摘。過去の新製品とは需要の盛り上がり方が異なることにも言及しており、新製品効果がどこまで出るかには慎重な姿勢も感じさせている。
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