アップル株4%超下落 減収止まらず 10-12月も前年並みに
アップルの7-9月期決算はアイフォンが伸び悩み。10-12月期の見通しの弱さや、中国の減速も株価の不安材料だ。
アップルが2日の取引時間終了後に発表した2023年7-9月期決算は4四半期連続の減収となった。総収入と1株当たり利益(EPS)はいずれも市場予想を上回ったものの、iPhone(アイフォン)の伸び悩みといった不安も印象付けられる結果だった。アップルは10-12月期の総収入についても前年並みという控えめな見通しを示している。さらに中国を含む中華圏での販売減少という懸念もあり、アップルの株価(AAPL)は2日の時間外取引で一時、終値から4%超値下がりした。
アップルの2023年7-9月期は4四半期連続の減収
アップルの7-9月期決算は総収入が前年同期比0.7%減の894.98億ドル、1株当たり利益が13.2%増の1.46ドルだった。金融情報会社リフィニティブのデータによると、決算発表直前の市場予想は総収入が892.84億ドル、1株当たり利益が1.39ドル。発表された結果はいずれも予想を超えたが、2022年10-12月期から続いてきた減収決算を脱することはできなかった。
減収の要因のひとつが総収入の半分弱を占めるiPhoneの伸び悩みだ。7-9月期のiPhoneの販売額は前年同期比2.8%増。9月に新製品iPhone15シリーズを投入したものの、14シリーズが投入された2022年7-9月期の9.7%増を超えることはできなかった。アプリ販売などが幅広く好調だったサービス部門の収入は16.3%増と大きく伸びたが、タブレット端末のiPad(アイパッド)やパソコンのMac(マック)の減少を補うことができなかった。
アップルの中国市場での販売減は株価に悪影響か
またアップルのルカ・マエストリCFOは決算会見で10-12月期の総収入が前年並みになるとの見通しを示した。10-12月期は毎年、iPhoneの新製品発表直後の年末商戦と重なって売上げが伸びる時期だ。マエストリ氏は「iPhoneの販売は伸びる」との見方も示しているが、市場では総収入が5%程度伸びると見込んでいただけに、投資家には失望感も出ている。
一方、ティム・クックCEOは決算会見でインド市場からの収入が過去最高だったことを強調。新興国市場が成長の原動力になっているとの見方を示した。ただ、中華圏での販売は前年同期比2.5%減で、全体の足を引っ張っている。クック氏は中華圏のマイナスについて、為替変動の影響が大きく、現地通貨建てでは販売は伸びているとし、「中国市場でのシェアは伸びている」と述べた。
しかし中国での販売減少はアップルの株価にとっては悪い兆候だ。アップルの株価は9月に中国政府が政府職員にiPhoneなどの外国製端末を使わないように指示したと報じられたことでも大きく下落。アップルが販売と生産の両面で関係を深めてきた中国とアメリカの対立がアップルの株価にとって逆風になることも想定される。
アップル株は2日の時間外取引で下落。一時、170ドル程度まで値下がりし、2日の終値(177.57ドル)からの下落率が4%を超えた。その後は172ドル前後で取引されている。
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