アップル、iPhone販売プラス転換で株価上昇 1-3月期決算 新興国好調
アップルの2023年1-3月期決算はiPhoneの販売額がプラスに転じた。新興国市場の好調に支えられたが、米州や中華圏には不安がある。
アップルが4日の取引時間終了後に発表した2023年1-3月期決算は総収入、1株当たり利益ともに市場予想を上回った。前期に減収となったiPhoneの販売額も復調しており、新興国市場が販売を牽引したという。アップルの株価(チャート)は時間外取引で一時、3%超値上がりした。ただし総収入が市場予想を上回ったとはいえ、2四半期連続の前年同期比マイナスは悪材料だ。米州や中華圏といった主要市場での販売額が減少続きで、先行きへの不安も感じさせる。
アップルの2023年1-3月期決算は市場予想上回る
アップルの1-3月期の総収入は948.4億ドルで前年同期比2.5%減。直前の市場予想の929.6億ドルを上回った。1株当たり利益は1.52ドルで、前年同期と同じ。直前の市場予想の1.43ドルを上回った。またアップルは900億ドルの自社株買いを行うことも発表した。
総収入の半分以上を占めるiPhoneの販売額は前年同期比1.5%増の513.3億ドルで、1-3月期としては過去最高だった。新型コロナウイルス禍による中国の生産体制の混乱があった2022年10-12月期のマイナス8.2%減からプラスに転換した。iPhoneに次ぐ規模があるサービス事業の販売額は209.1億ドルで、前年同期比5.5%増だった。
新興国市場が販売を下支え
好調な販売の原動力となったのは新興国市場だ。ティム・クックCEOは決算会見で、メキシコ、インドネシア、フィリピン、サウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)での売上高が過去最高だったことを明かした。また、ブラジル、マレーシア、インドなどでも1-3月期として過去最高の売上高を記録したという。クック氏は「新興国市場のパフォーマンスには特に喜んでいる」と述べた。
アップルの株価の4日の終値は165.79ドルだったが、時間外取引では一時3%超高となる171ドル台をつける場面もあった。その後は169.9ドル程度で取引された。
米州、中華圏、日本は2四半期連続で販売減少
ただしアップルの決算が明るい材料ばかりだったわけではない。総収入は2022年10-12月期も前年同期比5.5%減で、今回で2四半期連続の減収だ。地域別でみると、米州や中華圏、日本で2四半期連続のマイナスとなっている。新興国市場の成長に支えられたものの、主要市場の縮小には不安もある。
物価上昇に直面する米国や欧州で経済の先行きが懸念される中、クック氏は何度も「マクロ経済環境」が経営にとっての逆風であると口にした。アップルはインドに直営店を開設するなど新興国市場の開拓に力を入れており、今後の展開の成否も注目される。
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