コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

アーム、株価に下落圧力 クアルコムに敗訴 業績見通しに影響は?

アームがクアルコムとの訴訟で敗れ、23日の株価は4%安となった。今後の成長性への期待が損なわれる可能性もある。

アーム、株価に下落圧力 クアルコムに敗訴 業績見通しに影響は? 出所:Adobe Images

英半導体大手アーム・ホールディングスの株価に下落圧力がかかっている。アームは20日、ライセンス契約をめぐるクアルコムとの訴訟で敗訴。週明け23日のアメリカの株式市場ではアームの株価が前日比4.00%安となった。アームは再審を求めるとみられるが、アームの主張が認められなかったことはアームのビジネスモデルにとって打撃といえそうだ。アームの株価の上昇は投資家が期待する成長性が裏付けになっている面があるだけに、今後の見通しにとっては悪材料となりえる。

アームの主張は認められず クアルコムに契約違反なし

アームがクアルコムの契約違反を訴えていた裁判で、アメリカのデラウエア州の連邦地裁の陪審は20日、アームの主張を退ける評決を下した。アームは訴訟の中で、クアルコムが2021年にアームのライセンス契約に基づいて半導体を開発していたヌビアを買収した後、アームの同意を得ずに開発を続けたと主張。契約違反の状態で開発された技術の使用を停止し、破壊するよう求めていた。また、クアルコムはヌビア買収前にアームから半導体開発のライセンスを受けていたが、アームは第三者がアームの技術に基づいて開発した半導体の生産は認められないとしていた。

ブルームバーグによると、アームは再審を求める意向を示している。一方、クアルコムは21日に発表した声明で、「問題とされている半導体製品のすべてが、クアルコムがアームと結んだ契約で保護されていることが認められた」としている。

アームの株価は23日に4.00%安 クアルコムは3.50%高

評決を受けた23日の株式市場では、アームの株価(ARM)の終値が前週末比4.00%安の126.87ドル。クアルコムの株価(QCOM)が3.50%高となった。アームの株価は7月10日につけた最高値(186.46ドル)からの下落率は31.96%となっており、下落傾向が強まる形となった。

エヌビディア、アーム・ホールディングス、クアルコムなどの株価の推移のグラフ

アームの事業戦略に打撃 ライセンス契約の「根幹」揺らぐ

アームは半導体技術の開発に特化した企業で、アームが開発した技術を用いることを他の半導体企業に認めることで収入を得ている。2024年7-9月期決算では、半導体企業と契約を結ぶ際に得るライセンス収入が3.30億ドル、半導体企業がアームの技術に基づいた製品の販売で得た収入に応じて得られるロイヤルティ収入が5.14億ドルだった。

アームのルネ・ハースCEOは11月6日の7-9月期決算会見で、裁判について言及。アームの技術に基づいてヌビアが進めてきた製品開発をクアルコムで続ける際にアームの同意を得ることは「ライセンス契約における根幹だ」とし、公平性とアームのビジネスモデルを守る必要があるとしていた。それだけに20日の評決でアームの主張が認められなかったことはアームの事業戦略にとって打撃といえそうだ。

短期的な業績見通しへの影響はなしか アームの長期的な成長性には影も

一方、今回の敗訴が直ちにアームの業績見通しに影響を与えるわけではない。ジェイソン・チャイルドCFOは7-9月期決算会見で、業績見通しは現段階での契約で得られる収入に基づいて算出しているとし、この状況に変化が出ない限りは業績見通しに影響は出ないと説明していた。アームのヌビアに対するライセンスは2022年3月1日に失効済み。クアルコムに対してはライセンスの取り消しを通告してはいるが、実際の取り消しには至っていないという。

ただ、アームの株価は長期的な成長性への期待で押し上げられてきた側面があり、今回の敗訴は下押し圧力といえる。ブルームバーグによると、アームの株価水準と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は23日終値段階で70.80倍程度。111倍にも達した7月10日の水準からは落ち着いているが、人工知能(AI)ブームの立役者である半導体大手のNVIDIA(エヌビディア、NVDA)の予想PERが36倍程度であることと比べれば大きく割高な水準だ。

アームホールディングスの株価と予想株価収益率の推移のグラフ

アームの親会社、ソフトバンクグループの株価への悪影響も

アームは11月の決算会見で示した業績見通しが市場予想を下回ったことも株価下落の要因となっている。こうした中で示されたクアルコムとの訴訟での敗訴がアームの成長性に対する投資家からの期待をさらに損なう可能性もありそうだ。また、アームの親会社である日本のソフトバンクグループ(9984)の株価は24日の終値で1.42%安となっており、やはりアームの株価下落の悪影響を受けることも考えられる。

アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンなどの株価の推移のグラフ

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券の株式CFD

  • 世界12,000銘柄以上の株式トレードをCFDで提供
  • 日本、アメリカ、ヨーロッパを含む世界の株式を1株からリーズナブルにお取引
  • 世界の有名企業の株が取引可能

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。