オーストラリアドル急騰 一時101円 物価上振れで利下げ見通し後退
オーストラリアの3月CPIは市場予想を上回る強さで、豪ドル円を9年4か月ぶりの高値に押し上げた。米国経済の動向も豪ドル高要因となっている。
24日のFX市場でオーストラリアドルが急騰している。豪ドル円相場は一時、9年4か月ぶりとなる1豪ドル=101円台を記録した。この日発表されたオーストラリアの3月の消費者物価指数(CPI)の伸び率が予想を超え、中央銀行のオーストラリア準備銀行(RBA)の年内利下げが難しいとの見通しが強まったためだ。またアメリカで23日に発表された景況感指数が予想より弱く、ドル安が進んだことも影響した。今後は引き続き、米国で25日に発表される1-3月期GDPの結果や日本銀行の金融政策の方向性などが注目されそうだ。
豪ドルは9年4か月ぶりの101円台
豪ドル円相場(AUD/JPY)は日本時間の午前11時台に1豪ドル=101.06円まで値上がりした。101円台をつけるのは2014年12月8日の高値(101.12円)以来だ。
豪ドル高が進んだきっかけは、オーストラリア統計局が日本時間の24日午前10時30分に発表した3月CPI。総合指数の伸び率は前年同月比3.5%となり、2月の3.4%から物価上昇が加速。市場予想の3.4%も上回り、物価上昇の根強さを印象づけた。果物、野菜、ガソリン、休暇旅行を差し引いた指数の伸び率は4.1%で、こちらも2月(3.9%)を上回った。また同時に発表された1-3月期CPIの伸び率は総合指数で3.6%。10-12月期の4.1%から減速したものの、市場予想(3.4%)を超えた。
オーストラリアの物価上昇でRBAの利下げは困難か
こうした物価動向を受けて、金融市場ではRBAの利下げが難しくなったとの見方が強まっている。LSEGのデータによると、投資家の動向から算出される12月のRBAの理事会後の政策金利の水準は日本時間24日午後1時30分の段階で4.305%と見込まれている。現状の政策金利(4.35%)とほぼ変わらない水準だ。
また豪ドル高進行の背景には、米国で23日にS&Pグローバルが発表した4月の購買担当者景気指数(PMI)の速報値が弱かったこともある。総合指数は50.9となり、3月(52.1)から悪化。サービス業と製造業の指数もそれぞれ3月から下がっており、S&Pグローバルは「米国経済の拡大は4-6月期の初めで勢いを失った」としている。23日のニューヨーク債券市場では長期金利(10年物米国債利回り)が4.5%台に低下。FX市場ではドルがユーロやポンド、豪ドルに対して売られた。
アメリカのGDPや日銀の動きが豪ドル円の見通しに影響
今後の豪ドル円相場をめぐっては、引き続き、米国の経済指標や日銀の経済政策の方向性の影響が注目される。25日に発表される米国の1-3月期GDPと個人消費支出(PCE)物価指数で景気の過熱感がみられた場合にはドル高豪ドル安、冷え込みがみられた場合はドル安豪ドル高の動きが出ることが考えられる。また26日に日銀が公表する金融政策決定会合の結果と今後の経済見通しの中で、円安阻止に対する日銀の意欲がみられれば、円高豪ドル安の材料となる可能性もありそうだ。
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