オーストラリア、物価は横ばい見通し 豪ドルは米指標や中東情勢が左右
オーストラリアの3月CPIは横ばいの見通し。豪ドル円相場への影響は小さそうだ。一方、米国経済や中東情勢の影響は大きくなっている。
オーストラリア統計局が24日に発表する3月と1-3月の消費者物価指数(CPI)は物価上昇率が横ばいになると見込まれている。オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)が様子見を続けるとの見方が広がると予想され、豪ドル円相場への影響は限定的になりそうだ。ただし、FX市場ではこのところ、アメリカの経済指標や中東情勢の悪化が材料視され、豪ドル円相場も上下に動いてきた。今後の見通しは、米国で発表される重要経済指標などが左右するとみられる。
オーストラリアの3月CPIは2月から横ばいの見通し
オーストラリア統計局は24日午前11時30分(日本時間24日午前10時30分)にCPIを発表する。LSEGがまとめた事前予想によると、3月の物価上昇率は総合指数で前年同月比3.4%になる見通し。また1-3月期の物価上昇率も前年同期比3.4%になると予想され、10-12月期の4.1%から減速するとみられている。
予想通りになれば、オーストラリアのCPI上昇率は12月以降4か月連続で3.4%での横ばいが続くことになり、RBAが目標とする2-3%の水準に向けた足踏みが意識されそうだ。ただ、RBAが重視する四半期ベースでの物価上昇率では減速が確認されることになる。
こうした結果はRBAの政策判断にとっては中立的といえ、RBAは物価動向を見極める時間をさらにとることができる。このため3月CPIの結果にサプライズがない場合は、豪ドル円相場(AUD/JPY)への影響は小さくなりそうだ。RBAは3月18、19日の理事会まで3会合連続で政策金利を据え置き、声明文では「決まっていることはなく、排除されていることもない」としていた。
豪ドル円相場はアメリカ経済や中東情勢の影響で変動
ただ、RBAが様子見を続ける中でも、このところの豪ドル円相場には大きな値動きも出ている。3月19日に日本銀行が大規模金融緩和を終えつつ、金融緩和継続の姿勢を強調した際は円安豪ドル高が進行。また、翌日に米連邦準備制度理事会(FRB)が年内3回の利下げの見通しを維持したことは、ドル安豪ドル高要因となり、豪ドル円相場での豪ドル高につながった。さらに米サプライマイネジメント協会(ISM)が4月3日に発表した3月のサービス業景況感が弱かったことも同様の流れを引き起こし、豪ドル円相場は9日には1豪ドル=100.79円をつけている。
一方、10日に発表された米国の3月CPIが予想を上回ったことは米国の金利の先高観を強め、ドル高豪ドル安要因となった。また日本時間19日午前にイスラエルがイランにミサイル攻撃を加えたと報じられた際は円高と豪ドル安が同時進行し、一時、1豪ドル=97.88円をつけた。
このため今後の豪ドル円相場は米国や日本の経済情勢に左右される場面も増えそうだ。25日には米国の1-3月期GDPと個人消費支出(PCE)物価指数が発表されるほか、26日には日銀の金融政策決定会合の結果と今後の経済見通しが公表される。また中東情勢の不安定化が意識された場合には、豪ドル安の反応が出ることもありそうだ。
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