騰勢を強めるポンドドル、分岐点に差し掛かるポンド円、それぞれの見通し
英ポンドは対米ドルで騰勢を強めている。この動きにポンド円がサポートされている。ドル円の下落リスクを警戒しながらも、ポンド円はテクニカルの面で重要な分岐点に差し掛かっている。その分岐点とは?目先、注目のチャート水準は?
記事のポイント
・米FRBの利下げが意識され、外為市場では米ドル安が進行している
・米ドル安を受け、ポンドドルは7月下旬以来の1.30が視野に入る
・ポンド円は現在、テクニカルの面で分岐点に差し掛かっている
・ポンド円、目先注目しておきたいチャートの水準について
騰勢を強めるポンドドル
ポンドドル(GBP/USD)が騰勢を強めている。日足のMACDはゴールデンクロスへ転じた後、ゼロラインを上回る状況にある。モメンタムも強気地合いに勢いがあることを示唆している(いずれも下のチャート、緑矢印を参照)。そして移動平均線では、10日線が21日線を上方ブレイクし、ゴールデンクロスが確認された。
ポンドドルは現在、フィボナッチ・エクステンション76.4%の水準1.2993レベルの攻防にある(下のチャート、緑矢印を参照)。このテクニカルラインを上方ブレイクする場合は、先月18日以来となる1.30台の攻防へシフトするだろう。
そして7月17日の高値1.3045の上方ブレイクは、さらなる上値トライのシグナルとなろう。
ポンドドルのチャート:日足 24年6月下旬以降
出所:TradingView
FRBの政策転換がポンドドルを下支え
ポンドドル(GBP/USD)のサポート要因となっているのが、米ドル安である。
米ドル相場の大まかなトレンドを示すドル指数(DXY)の動向を確認すると、7月以降、米金利の低下幅が拡大するトレンドに連動し米ドル安が進行していることが分かる。これらの動向は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)を境に、緩和サイクルへ転じる可能性を織り込んだ動きである。
ドル指数と米金利の動き:24年3月以降
出所:TradingView
ポンド円の見通しとチャート分析
テクニカルの面で分岐点に差し掛かる
パウエルFRBの利下げを意識した米ドル安は、ドル円(USD/JPY)の下落要因である。事実、昨日は米ドル安を受けドル円は安値145.18まで下落する局面が見られた。
しかし、ポンド円(GBP/JPY)はドル円の下落の影響を消化しながら反発トレンドを維持し、テクニカルの面で分岐点に差し掛かっている。その分岐点とは、191円前半の水準である。
今日現在、191.10台には短期の上値抵抗線が推移している。191.30レベルには21日線が推移している。日足チャートで直近の動きを確認すると、これらテクニカルラインで相場の反発が止められていることが分かる。ゆえに、ポンド円がこれらのラインを上方ブレイクする場合は、上値トライの機運が高まるだろう。
今日以降、ポンド円が上値抵抗線と21日線を上方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準192.07レベルのトライが焦点として浮上しよう。このテクニカルラインをも突破する場合は、194円台まで上昇幅が拡大する可能性が出てくる。
194.11レベルは7月11日の高値と8月5日安値の半値戻しの水準にあたる。目先は、この水準まで上昇するかどうか?を確認したい。
ポンド円:日足 今年7月以降
出所:TradingView
188.00の維持が焦点に
一方、ポンド円(GBP/JPY)が上述した分岐点のラインで反落する場合は、188円の維持が焦点となろう。188.00レベルはサポートラインへ転換する可能性がある(上の日足チャート、青ラインを参照)。
ポンド円が188.00レベルをトライするシグナルとして、10日線の攻防に注目したい。この移動平均線はサポートラインへ転換するムードが出ている。今日現在、189.00レベルで推移している(上の日足チャート、青ラインを参照)。
ドル円(USD/JPY)の動向次第で、ポンド円は188円を下方ブレイクする可能性がある。このケースでは、下の4時間足チャートにプロットしたフィボナッチ・エクステンションの各水準での攻防に注目したい。
23.6%の水準187.43レベルは、188.00とサポートゾーンを形成する可能性がある。38.2%の水準184.59はサポート転換を意識する水準である。半値戻し182.30レベルと61.8%の水準180.00レベルはそれぞれサポート水準として相場を下支えする可能性がある。特に後者は節目のラインであり、かつ今月5日の下落を止めた重要なサポート水準でもある。
レポート掲載時点で4時間足のストキャスティクスはゴールデンクロスへ転じ、買われ過ぎの水準が視野に入る。RSIもゴールデンクロスへ転じつつある。よって目先は、上で述べた上値抵抗線と21日線の突破に注目したい。
これらオシレーター指標が買われ過ぎの水準付近でデッドクロスへ転じる場合は、反落相場を警戒したい。特に上述したテクニカルラインや192.00レベル(リトレースメント61.8%)をトライする局面では、反落の可能性を想定しておきたい。
ポンド円:4時間足 7月29日以降
出所:TradingView
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。