ドル円、ユーロドル、ポンドドル それぞれの焦点とチャートポイント
パウエルFRB議長は米国経済の力強さとインフレリスクについて言及。日米の金融政策スタンスの差が意識されドル円は1998年9月以来の137円台へ。対欧州通貨でも高まる米ドル高の圧力。ドル円、ユーロドルそしてポンドドルの焦点とチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
【サマリー】
・ドル円:137円台の攻防へシフトする場合は137.20レベルの攻防に注目
・ユーロドル:1.04ブレイクと1.03ミドルの維持が焦点に
・ポンドドル:1.1920-30ゾーンをブレイクする場合は下落幅の拡大を警戒
・ドル円の焦点は137.20の攻防
昨日のNYタイムにドル円(USDJPY)は、137.00を付ける局面が見られた。ドル円が137円台へ上昇するのは1998年9月以来およそ24年ぶりとなる。
インフレ抑制が主要テーマとなる中、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は欧州中央銀行(ECB)の年次フォーラムで米国経済の力強さについて言及した。景気後退の可能性がさらに高まらない限り、パウエルFRBはインフレ抑制重視のスタンスを維持するだろう。
問題は利上げの幅にある。消費者物価指数(CPI)に続き、今日の5月PCEデフレーターでも米国内の高インフレ状態が長期化する可能性が示唆されるならば、ドル円は日米の金融政策スタンスの差を土台に、137円台への攻防シフトを想定しておきたい。
実際にドル円が137円台へ乗せてくる場合、最初に注目すべきチャートポイントは137.20レベルだと筆者は考えている。この水準は、当レポートで何度か指摘してきたが、直近の値動き(5月と6月の値動き)をベースにしたフィボナッチ・プロジェクションで考えると、61.8%の水準が137.195の水準にあたる。
過去の経緯を振り返ると、137.20レベルは1998年6月以降相場をサポートし、同年の9月にレジスタンスポイントへ転換した。そして同年10月に相場が急落したという経緯がある。フィボナッチ・プロジェクションの水準と過去(1998年後半)の値動きを重視するならば、ドル円が137円台へ上昇する場合は、137.20の攻防に注目したい。
ドル円のチャート
・ユーロドルの焦点は1.04ブレイクと1.03ミドルの維持
1.06レベルが強烈なレジスタンスポイントとして意識されているユーロドル(EURUSD)は、2日連続で大陰線が示現した。直近の下落を受け、現在のユーロドルは1.04台の下方ブレイクを警戒する局面にある。
ユーロドルが軟調地合いにある理由は、ロシアーウクライナ紛争の長期化によるインフレの進行と景気への悪影響、そして米欧の金融引き締めペースの差にある。これらは短期的に解消される要因ではないため、ユーロドルが反発しても今日現在1.0550前後で推移している21日移動平均線(SMA / EMA)や1.06レベルで反落する展開を今後も想定しておきたい。
ユーロドルがさらに下値を目指す場合は、1.04の下方ブレイクを想定しておきたい。1.0400の水準は、フィボナッチ・プロジェクション50.0%のレベルにあたる。
ユーロドルが1.03台の攻防へシフトする場合、最も注目すべきは1.0350レベルの維持である。フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準は、ちょうど1.0350レベルにあたる。また、今年の5月と6月の下落を止めた経緯もある。3度同じ状況(ユーロドルの下落を止めること)が確認される場合は、1.03ミドルが今後も重要なサポートポイントとして意識されるだろう。
ユーロドルのチャート
・ポンドドルは節目の1.20トライが焦点に
ユーロドルと同じく、ポンドドル(GBPUSD)も戻り売りの状況(下落トレンド)が続いている。
今年に入り1.3650レベルで何度も上昇が止められ、節目でありかつサポートポイントでもあった1.30レベルを下方ブレイクして以降、下落幅が拡大。6月14日には節目の1.20をも下抜け、安値1.1934レベルまで急落した。
今年2月から続く下落の過程でレジスタンスラインが形成されている。今のポンドドルは、このラインすらトライ出来ない状況が続いている。
よって目先のポンドドルは、下値トライを警戒すべき局面にあると考えられる。
ポンドドルの下落幅が拡大する場合、目先の焦点は節目の1.20を再び割り込むかどうか?にある。
再びこの水準を下方ブレイクする場合、次に注目したいのが1.1920-30ゾーンの攻防である。6月14日の下落時は、1.1934レベルでサポートされた。そしてすぐ下の水準1.1923レベルは、フィボナッチ・プロジェクション50.0%にあたる。
英国のインフレ水準は9.1%(5月消費者物価指数 / 前年同月比)と、米国や欧州を上回る状況にある。当然、景気の後退懸念も意識されやすい状況にある。ゆえに、ポンド売りの圧力がさらに強まることで1.1920-30ゾーンをも難なく下方ブレイクする可能性がある。
実際にそのような展開となれば、新たなレンジへの攻防シフトを想定する必要があろう。なお、1.19以下のサポートポイントをフィボナッチ・プロジェクションで探ると、61.8%の水準1.1747レベルが浮上する。
ポンドドルのチャート
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