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米CPIとドル円、ユーロ円、ポンド円の展望について

今晩の外為市場は11月の米消費者物価指数(CPI)で動くことが予想される。上昇基調にあるドル円、ユーロ円そしてポンド円の焦点は?注目しておきたいチャートのポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

米CPIとドル円、ユーロ円、ポンド円の展望について


【サマリー】
・米ドル買い優勢でドル円は138.00が視野に
・11月米消費者物価指数(CPI)と外為市場の展望について
・上昇幅が拡大しているユーロ円とポンド円のテクニカル分析について


米金利の上昇と株高でドル円は138.00が視野に

先週9日の流れを引き継ぎ12日の米債市場では利回りが反発基調を維持した。米金利の動きは米ドル相場のサポート要因となり、12日の外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。

米国の株式市場では企業買収のニュースや原油高が好感され、ダウ平均が500ドル超上昇する展開に。米国市場で金利の上昇と株高が同時に発生したことで、昨日は円売りの圧力も強まった(リスク選好の円売り)。

ドル円(USDJPY)はレジスタンスとして意識されている138.00レベル(フィボナッチ・リトレースメント23.6%)を視野に上昇幅が拡大した。

米ドル相場のパフォーマンス:12日

米ドル相場のパフォーマンス:12日 データ:Bloomberg L.P. / 基準日:2022年12月9日


11月の米消費者物価指数と外為市場の展望

「米金利の反発→米ドル買い」のトレンドが続くかどうか?この点を左右する目先の材料は、今晩の11月米消費者物価指数(CPI)となろう。

インフレリスクの焦点は、ピークアウトから今後のトレンド(軌道)にシフトしている。よって、11月米CPIが予想以上の内容となればインフレの根強さが意識されることで、「米金利の反発→米ドル買い」のトレンドが続くことが予想される。

このケースでは、ドル円(USDJPY)の138円台上昇を想定しておきたい。ドル円が138円台の攻防へシフトする場合は、21日線(MA/138.31レベル)および短期レジスタンスライン(今日現在139.40レベル)のトライおよびブレイクが次の焦点となろう。

一方、11月米CPIが予想以下となれば、インフレ懸念が後退することで「米金利の低下→米ドル売り」によるドル円の反落を想定しておきたい。このケースでは、138.00前後(フィボナッチ・リトレースメント23.6%)がレジスタンスポイントとして鮮明となることが予想される。

また、後者のケースは米株高の要因でもある。米金利の低下と米株高が同時に発生する状況下では、米ドル売りの圧力が最も高まりやすい。
対照的にオセアニア通貨(豪ドルとNZドル)は上昇することが予想される。昨日、対米ドルで下落幅が拡大した南アランドやブラジルレアルも買戻しの展開が予想される(上のパフォーマンスチャートを参照)。欧州通貨(ユーロやポンド)も同様の展開を想定しておきたい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート チャート:TradingView / 日足(今年10月~)


ドル円の上昇にユーロ円とポンド円も追随

ユーロ円(EURJPY)
ドル円の上昇にユーロ円(EURJPY)も追随し、12日のレポートで指摘した短期レジスタンスラインと50日線(MA/144.77レベル)のブレイクに成功している。モメンタム(12日)がセロラインを突破しプラス圏へ浮上していること、そして昨日の日足ローソク足のかたちが大陽線であったことも考えるならば、昨日の動きはユーロ円の地合いの強さを市場参加者に印象付けた。

12日のレポートでも指摘したとおり、短期レジスタンスラインの突破はユーロ円のさらなる上昇シグナルとなり得る。よって、目先は次のレジスタンスポイントと想定される146.00レベルのトライおよびブレイクに成功するかどうか?この点が焦点となろう。

一方、ドル円の反落局面では、ユーロ円も下値トライの展開が予想される。このケースでは、レジスタンスラインからサポートラインへ転換している10日線(MA/143.65レベル)の維持が焦点となろう。

ユーロ円のチャート

ユーロ円のチャート チャート:TradingView / 日足(今年8月~)


ポンド円(GBPJPY)
ポンド円(GBPJPY)もドル円の上昇に追随し、ジワリと上げ幅が拡大している。ユーロ円と同じく10日線(MA/166.98レベル)でサポートされ、かつモメンタム(12日)もゼロラインを上回ってきた。ドル円の反発基調や対米ドルとユーロでポンド相場が底堅い展開となっている状況も考えるならば、ポンド円はレジスタンスの169.00を突破する可能性が高まっている。

実際にポンド円が169円台へ上昇する場合、次の焦点は170円台への再上昇となろう。11月2日の高値が170.38レベル。ポンド円がこの水準をも突破する場合は、10月31日の高値172.13レベルが視野に入る。

一方、ポンド円が反落する局面では、ユーロ円と同じく10日線の維持が焦点となろう。ポンド円がこの移動平均線を難なく下方ブレイクする場合は、先週相場をサポートした166.00レベル、先月中旬と今月2日にサポートポイントとして意識される局面が見られた164.00レベル、そして先月11日の下落を止めたフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準163.31レベルでの攻防に注目したい。

ポンド円のチャート

ポンド円のチャート チャート:TradingView / 日足(今年9月~)

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