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米CPI後のドル円とポンド円の展望について

ドル円は円安にサポートされ132.90台まで反発。クロス円ではポンド円が50日線(MA)を試す展開に。市場参加者の関心が1月米消費者物価指数(CPI)に集まるなか、ドル円とポンド円の見通しは?注目しておきたいテクニカルポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

目先の焦点は1月米CPI


【サマリー】

・13日の外為市場はリスク選好相場で米ドルと円が下落する展開となった
・目先の焦点は1月米消費者物価指数(CPI)と米金利の反応
・50日線と短期レジスタンスラインの突破に成功したドル円 次の焦点は?
・反発基調にあるポンド円、目先は50日線の突破が焦点に


リスク選好相場を受け米ドルと円が下落

13日の米債市場は、1月の米消費者物価指数(CPI)を控えショートカバー(米債買い)の動きが見られた。

10年債利回り(長期金利)の反発基調が一服したことで、米国の株式市場ではハイテク株が買われ株価指数を下支えした。

長期金利の低下と株高を受け、外為市場では米ドル売り優勢の展開となった。また、リスク選好相場は円売りの圧力も高めた。米ドル安の圧力以上に円安の圧力が勝り、ドル円(USDJPY)は132.91レベルまで上昇する局面が見れた。

米ドル相場の動向:2月13日

米ドル相場の動向:2月13日 為替データ:Bloomberg / 基準日:2月10日

ドル円とポンド円の見通しおよびテクニカルポイントについて

ドル円の見通しとテクニカルポイント

133円台への上昇が焦点に
ドル円(USDJPY)は昨日、円安の進行を受け50日線(MA)と短期レジスタンスラインの突破に成功した。通貨オプション市場のリスクリバーサル(1ヶ月)の動きを確認すると、ひとまずドルプットの状況が一服している。一方、予想変動率(1ヶ月)でも上昇基調に一服感が見られる。

テクニカルの面で次に注目したいのが、昨年12月15日の高値138.17レベルと1月16日の安値127.23レベルの半値戻し132.70レベル※の攻防である。昨日は、このテクニカルポイントを上ヒゲで突破する局面が見られた。ドル円が半値戻しの水準(132.70レベル)をローソク足の実体ベースで完全に突破する場合は、133円台への上昇が焦点として浮上しよう。

※訂正:2月13日のIG為替レポートでは132.80としましたが、132.70に訂正させていただきます。

1月米CPI後の展望
ドル円が133円台へ上昇するきっかけとなり得る材料の一つが、今日の1月米消費者物価指数(CPI)である。1月CPIを受けインフレ懸念が再燃すれば、金融引き締めの長期化に対する懸念も高まるだろう。よって、米債市場では利回りの上昇が予想される。米金利の上昇は株安要因となろう。米金利の上昇と米株安が同時に発生する場合、外為市場では米ドル買いの圧力が最も高まりやすい。ゆえに強い米CPIは、ドル円が133円台へ上昇する要因となり得る。

逆に1月米CPIでインフレの鈍化傾向があらためて確認される場合は、「インフレ懸念の後退→米金利の低下と米株高→米ドル安」の展開を予想する。米金利の低下と株高が同時に発生する場合、外為市場では米ドル安の圧力が最も高まりやすい。同時にリスク選好相場による円安の圧力も高まるだろう。よってこのケースでは、米ドル安と円安の圧力がぶつかり合うことが予想される。

だが、1月米CPIでインフレ懸念が後退する場合は、米金利の低下幅が拡大する可能性が高い。このため、昨日とは異なり米ドル安優勢によるドル円の下落を想定しておきたい。ドル円の下落局面では、IG為替レポートで何度も取り上げている21日線(MA)の維持が焦点となろう。この移動平均線は今日現在、130.30台まで上昇している。

ドル円のチャート

ドル円のチャート チャート:Bloomberg / 日足(22年12月~)

ポンド円の見通しとテクニカルポイント

上昇局面での注目ポイント
ドル円(USDJPY)の反発基調にサポートされ、ポンド円(GBPJPY)も上値をトライするムードにある。具体的には、1月3日の安値155.36レベルを基点とした短期サポートラインを形成しながら、160円台の水準を回復。昨日は50日線(MA/今日現在160.96レベル)をトライする局面が見られた。MACDでもポンド円の地合いの強さが徐々に戻っていることを示唆する動きが見られる。

今日の1月米CPIでドル円の上昇幅が拡大する場合、ポンド円は50日線を突破することが予想される。この状況が確認される場合は、レジスタンスポイントとして意識されている161.80レベルのトライおよびブレイクに成功するかどうか?この点が次の焦点となろう。

ポンド円が161.80レベルをも突破する場合は、162円台への上昇と半値戻しの水準162.32レベルの攻防を意識したい。

だが、1月米CPIでドル円が上昇するということは、米ドル買いにサポートされての上昇である可能性が高い。ゆえに、ポンドドル(GBPUSD)では下落幅が拡大することが予想される。このためドル円の上昇にポンド円が連れ高しても、上で述べたテクニカルポイントでの反落リスクを常に警戒しておきたい。

下落局面での焦点
一方、ポンド円が下落する場合は、21日線(MA/今日現在159.71レベル)がレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうか?この点を確認したい。

ポンド円が21日線をあっさりと下方ブレイクする場合は短期サポートラインを視野に下落幅の拡大を警戒し、まずは昨日の安値158.39レベルの攻防に注目したい。

ポンド円のチャート

ポンド円のチャート チャート:TradingView / 日足(22年12月~)

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