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ポンドドル、賃金データと9月CPIでさらに下落か、ポンド円は重要な分岐点に

英ポンドが対米ドルで下落トレンドへ転じている。今日の賃金データと明日の9月消費者物価指数(CPI)の内容次第では、ポンド売りが加速するだろう。ポンドドルとは対照的にポンド円は根強い円安サポートされ、テクニカル分析の観点で重要な分岐点の攻防にある。

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記事のポイント

・英ポンドが、対米ドルで下落トレンドへ転じている
・今週の英ポンドは、賃金データと9月CPIで上下に振れる展開が予想される
・インフレの鈍化が確認される場合、ポンドドルは1.30のブレイクを想定しておきたい
・円安にサポートされるポンド円、上昇型トライアングルのパターン形成が焦点に


対米ドルで下落相場が続く英ポンド

英ポンドは現在、対米ドルで軟調地合いにある。日足チャートで直近の動きを確認すると、9月26日を境に下落トレンドへ転じ、現在は9月11日の安値1.30レベルを視野に上値の重い展開が続いている。

日足のMACDはデッドクロスへ転じた後、ゼロラインを下回る状況にある(下のチャート、黒矢印を参照)。RSIは横ばいで推移し、ゴールデンクロスへ転じるムードにない。10日線は、21日線のみならず50日線との間でもデッドクロスを形成した(下の日足チャート、黒矢印を参照)。かつその50日線がレジスタンスのラインへ転換する可能性があることも考えるならば、ポンドドルの地合いは弱い。

今週、ポンドドルが1.30を完全に下方ブレイクすれば、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.2959レベルと1.2900レベルのトライが焦点に浮上しよう。

米ドル高とポンド売りが同時に進行する場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.2846レベルのトライを想定しておきたい。

ポンドドルのチャート:日足 2024年8月以降

ポンドドルのチャート:日足 2024年8月以降

出所:TradingView

今週の焦点は賃金データと消費者物価指数

今月3日の外為市場で、英ポンドが対主要通貨で軒並み下落した。主因はイングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁の発言にあった。同総裁は英ガーディアン紙とのインタビューで、インフレに関する良いニュースが続けば、利下げに関して「もう少し積極的かつ大胆」になる可能性について言及した。

英ポンドの騰落率:10月3日

英ポンドの騰落率:10月3日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成

今週は、英中銀が注視する重要なインフレデータが2つ発表される。

ひとつは、今日発表される3ヶ月の週平均賃金(6~8月)である。ブルームバーグがまとめた市場予想では、6月~8月の賃金(賞与を除くベース賃金)の伸び率は前年同期比で3.7%と、前の3ヶ月平均の同比+4.0%から賃金インフレが鈍化する見通しにある(下のチャート、黒ラインを参照)。

英国 週平均賃金の伸び率(3ヶ月):年初来

英国 週平均賃金の伸び率(3ヶ月):年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成

そして16日に9月の消費者物価指数(CPI)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想を確認すると、前年同月比で1.9%の伸びと、8月の2.2%からインフレがさらに鈍化し、物価目標の2%を割り込む見通しにある(下のラインチャート、左下を参照)。同比のコア指数も8月の3.6%から3.4%へ鈍化する見込みである。

英中銀はサービス価格の動向をより注視している。9月は前年同月比で5.2%の伸びが見込まれている。2020年にコロナパンデミックが発生する前の水準2%台をはるかに上回る水準にある。しかし、2023年7月の7.4%をピークにサービス価格は鈍化の傾向にある(下のラインチャート、右上を参照)。

賃金インフレが鈍化の傾向にあることが示され、かつ9月のCPIとサービス価格でも同じ傾向が確認される場合は、ベイリー英中銀総裁の言う「インフレに関する良いニュースが続く」ことになる。

英国 消費者物価指数(CPI):2023年9月以降

英国 消費者物価指数(CPI):2023年9月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

上で述べた経済指標でインフレが鈍化傾向が確認される場合、利下げが確実視されている11月の金融政策委員会(MPC)に続き、12月のMPCでも英中銀が連続利下げに踏み切る可能性が高まるだろう。

短期金融市場では、12月の利下げ確率が五分五分の状況にある(15日午前7時時点)。週平均賃金と9月CPIの鈍化は、12月の利下げ確率を高めるだろう。

英中銀 政策金利の予想推移

英中銀 政策金利の予想推移

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 15日 午前7時時点 OISに基づく予想推移

ポンドドルは1.30割れを想定する局面に

今週の経済指標で英国のインフレが鈍化の傾向にあることが確認される場合は、年内残り2回のMPCで連続利下げの期待を高める要因となろう。この期待はポンド売りの要因となろう。

アメリカ経済のソフトランディング期待で米ドル高優勢の状況にあることも考えるならば、今週のポンドドルは冒頭で述べたとおり1.30の下方ブレイク、そして1.2900とフィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防を想定しておきたい。

一方、今週の英経済指標で予想外にインフレの粘着性が確認される場合は、10日線と50日線の上方ブレイクが焦点となろう。10日線は1.3100レベル、50日線は1.3110レベルでそれぞれ推移している。これら移動平均線の突破に失敗する場合は、地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。

再掲:ポンドドルのチャート:日足 2024年8月以降

ポンドドルのチャート:日足 2024年8月以降

出所:TradingView

円安にサポートされるポンド円

対米ドルとは対照的に、英ポンドは対日本円で上昇トレンドを維持している。ベイリー発言でポンドドル(GBP/USD)の下落幅が拡大して以降のパフォーマンスを確認すると、対資源国通貨と日本円ではポンド高優勢の状況にある。

英ポンドの騰落率:10月3日~14日

英ポンドの騰落率:10月3日~14日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成

14日のIG為替レポート「ドル円の週間見通し 同時に進行するドル高と円安、今週の注目指標は米小売売上高、ドル円の焦点は150円のトライ」で取り上げた米ドルのパフォーマンスチャートも合わせ考えるならば、ポンド円の上昇は円安圧力の根強さを示唆している。

4日のIG為替レポート「ベイリー英中銀総裁の発言でポンド安進行、下落ムードのポンドドル ポンド円は石破ショックの逆回転が相殺要因に、今日の見通し」で指摘したとおり、ポンド円はドル円(USD/JPY))との相関性が高い。ゆえに、9月CPIでポンドドルが下落する(ポンド売り・米ドル高となる)場合は、ドル円の動向がポンド円のトレンドを左右しよう。

そのドル円は現在、節目の150.00を再び視野に上昇幅が拡大している。上で述べた英経済指標でポンド円が下落しても、17日の9月米小売売上高や週間の新規失業保険申請件数が米ドル高の要因となれば、ドル円は150円台の攻防へシフトすることが予想される。

ドル円の上昇幅が拡大すれば、ポンド円はこの動きにつれ高するだろう。ゆえに今週の経済指標がポンド円の下落要因となっても、目先は10日線または21日線でサポートされる展開を想定しておきたい。後者の21日線は192円ミドルまで上昇している。10月3日と4日の市場で192.00前後は、ポンド円をサポートした経緯がある(日足ローソク足の実体ベース)。

ポンド円のチャート:日足 2024年7月以降

ポンド円のチャート:日足 2024年7月以降

出所:TradingView

上昇型トライアングルの形成が焦点に

一方、今週もポンド円(GBP/JPY)が上昇トレンド維持する場合は、上昇型(アセンディング)トライアングルのパターン形成が焦点となろう。このテクニカルパターンの形成は、ポンド円がさらに上昇するシグナルとなろう。

また、ポンド円の反落の局面で196.00レベルがレジスタンスからサポートのラインへ転換する場合も、さらに上値を目指すサインと捉えたい。

ポンド円が196円台の攻防へシフトする場合、まずはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準197.41のトライを想定しておきたい(上の日足チャートを参照)。


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