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【ポンド円 (GBP/JPY)】米国のCPIと英国の賃金動向が変動要因に、焦点は50日線の攻防

今週のIG為替レポートでは、ポンド円(GBP/JPY)に注目している。ポンド円は現在、50日線を目指すムードが次第に高まっている。今日の米英経済指標の内容次第では、50日線を下方ブレイクする可能性がある。50日線以外にも注目しておきたい上下のチャートポイントは?

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・円の買戻しを受け、ポンド円は下値をトライするムードにある
・今日は米国の消費者物価指数(CPI)と英国の賃金動向が材料視される可能性あり
・ポンド円の下落局面では、50日線の攻防が焦点となろう
・50日線を下方ブレイクすれば、186.00レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい


50日線をトライするムードにあるポンド円

今週、IG為替レポートで注目しているクロス円が、ポンド円(GBP/JPY)である。11日のIG為替レポートでは、ポンド円が下値をトライする場合は50日線の攻防が焦点になる、と指摘した。

ポンド円は昨日、円高優勢の状況を受け、サポート転換の可能性がある188.30レベルを下方ブレイクする局面が見られた(安値187.96レベル)。そして今日の東京時間でもポンド円は、188.30レベルを下抜ける展開が見られた。

現状、反発の局面で188.30レベルのレジスタンス転換は確認されてない。しかし、今後この状況(レジスタンス転換)が確認される場合は、ポンド円の地合いが弱気に転じていることを市場参加者に印象付けよう。

いずれにせよ188.30レベルの完全な下方ブレイクは、50日線をトライするシグナルになり得る。この移動平均線は今日現在、187.86レベルで推移している(下の日足チャート、緑ラインを参照)。

本日、ポンド円が50日線を完全に下方ブレイクした後、反発の局面でこの移動平均線が相場の戻りを止める場合は、186.00レベルを視野に下落幅が拡大する可能性が高まろう(下の日足チャートを参照)。この水準は、サポートポイントへ転換する可能性がある。

ポンド円のチャート:日足 23年11月以降

ポンド円のチャート:日足 23年11月以降 TradingView提供のチャートで作成

賃金インフレの動向が材料視される可能性あり

ポンド円(GBP/JPY)の変動要因として本日注目したいのが、こちらのIG為替レポートで取り上げた2月の米消費者物価指数(CPI)である。

円高優勢の局面で2月の米CPIが米ドル安の要因となれば、ドル円(USD/JPY)の下落にポンド円が追随する展開を想定しておきたい。

もうひとつ注目したいのが、英国の雇用関連指標である。特に、将来のインフレ動向に影響を与える週平均賃金(3か月)の動向がポンド相場の変動要因となる可能性がある。

賃金インフレの鈍化傾向が確認される場合は、ポンド売りを想定しておきたい。ポンド円は50日線を下方ブレイクする展開を想定しておきたい。

2月の米CPIでもインフレが鈍化の傾向を辿っていることが確認される場合は、ポンド安と米ドル安が重なることで、ポンド円は上で述べた186.00レベルを視野に下落幅が拡大する可能性が高まろう。

英国 週平均賃金(3か月)の動向:23年以降

英国 週平均賃金(3か月)の動向:23年以降 ブルームバーグのデータで作成 / 赤のドット:市場予想

反発局面でのチャートポイント

一方、英国の賃金インフレの根強さや雇用市場の強さが確認される場合は、ポンド買いの要因となることが予想される。

現状、日足のストキャスティクスが売られ過ぎの水準でゴールデンクロスの状況が確認されている(上の日足チャート、緑矢印を参照)。RISも反転のムードにある。

このタイミングで、米英の経済指標がポンド円(GBP/JPY)の反発要因となれば、サポートラインとしての50日線の存在感が増すことになろう。

しかし、現在の外為市場では円高の圧力が高まっている。日足のモメンタムは、ゼロラインを下回る状況にある(上の日足チャート、赤矢印を参照)。

ゆえに英国の雇用関連指標がポンド円の反発要因となっても、189.00レベルやレジスタンスのラインへ転換しつつある21日線までの戻りが限界となる可能性がある。21日線は今日現在、189.80レベルで推移している(下の1時間足チャート、青ラインを参照)。

ポンド円が21日線をトライするシグナルとして、今日は直近高安のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準189.18レベルと半値戻しの水準189.56レベルの攻防に注目したい。

このレポートを掲載した時点で、ポンド円は短期のレジスタンスラインを陽線で上方ブレイクする状況にある。その過程でストキャスティクスは買われ過ぎの水準まで達し、かつデッドクロスを形成するムードにある(下の1時間足チャート、赤矢印を参照)。同じくRSIも買われ過ぎの水準付近まで上昇している。

これらオシレーター指標が買われ過ぎの水準まで上昇し、デッドクロスが確認されたタイミングでポンド円が38.2%の水準(189.18レベル)や半値戻しの水準(189.56レベル)をトライする場合は、反落相場を想定しておきたい。

ポンド円のチャート:1時間足 3月以降

ポンド円のチャート:1時間足 3月以降 TradingView提供のチャートで作成

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