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強気相場を維持する英ポンド 焦点は消費者物価指数と賃金の動向、ポンド円の見通し

7月に入りポンド相場は対主要通貨で強気相場にある。対円では11日と12日の円高をこなし、短期サポートラインの維持に成功した。目先のポンド円は、消費者物価指数(6月CPI)と賃金統計(3~5月の週平均賃金)で上下に振れる展開が予想される。目先の見通しは?注目のチャート水準は?

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この記事のポイント

・ポンド円は為替介入を警戒しながらも、再び上値トライのムードにある
・今週の注目材料は、消費者物価指数(CPI)と賃金統計となろう
・上値トライの局面では、10日線のブレイクと208円のトライが焦点に
・下値トライの局面では、204円前後の攻防に注目したい


ポンド円のチャート水準

上値の水準(レジスタンス)

・208.00:レジスタンスの水準
・207.00:リトレースメント76.4%
・206.44:リトレースメント61.8%
・206.00:半値戻し
・205.70台:10日線

下値の水準(サポート)

・204.60台:短期サポートライン
・204.30台:21日線
・204.00:サポートの水準
・203.75:サポートの水準


ポンド円の見通しとテクニカル分析

下落局面での押し目買い

7月11日と12日に円相場が急伸する局面が見られた。外為市場では、政府・日銀が11日に3兆円規模、12日に2兆円規模の為替介入(円買いの介入)に踏み切ったとの見方がある。

円相場の急伸を受け、ポンド円(GBP/JPY)は203.85レベルまで急落する局面が見られた。

こちらのIG為替レポートで指摘したとおり、目先の円相場は政府・日銀による為替介入を警戒する局面にある。ゆえに目先のポンド円は、不意打ち円高に直面する展開を警戒しておきたい。

しかし、ポンド円の下落局面では押し目買いを考えたい。

日足チャートで直近のトレンドを確認すると、 5月3日を起点とした短期サポートラインが11日と12日の円高を見事に止めた。MACDはデッドクロスの状況にあるが、一気にゼロラインに向かうムードはない(下のチャート、赤矢印を参照)。RSIはデッドクロスへ転じたが低下幅は限定的で、再び上昇のムードにある。

ポンド円:日足 24年3月以降

ポンド円:日足 24年3月以降

出所:TradingView

まずは10日線の突破

ポンド円(GBP/JPY)が反発基調を維持する場合、最初の焦点は10日線(今日現在205.78レベル)の上方ブレイクとなろう。この移動平均線は現在、短期レジスタンスラインとして意識されている。ゆえに10日線の突破は、ポンド円の地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。

10日線を突破した後もポンド円の反発相場が続く場合は、6月からの上昇トレンドを止めた208.00レベルのトライ、そしてブレイクアウトが焦点となろう。

10日線突破後のレジスタンス水準

ポンド円(GBP/JPY)が208.00レベルをトライするシグナルとして、以下のレジスタンス水準の攻防に注目したい。

まずは、直近高安の半値戻しの水準205.93レベルの攻防が焦点となろう。昨日はこのテクニカルポイントが相場の反発を止めた。この水準のトライは、206.00の攻防を意味する。

ポンド円が半値戻しの水準(206.00)を突破し、206円台の攻防へシフトする場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準206.44レベルが次の上値ターゲットとなろう。この水準は、7月12日の欧州時間に相場の戻りを止めた経緯がある(下のチャート、赤矢印を参照)。

ポンド円が206円ミドル以上の攻防となる場合は、207.00を視野に上昇幅が拡大する展開を予想する。207.08レベルはフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる。206.00と同じく、207.00もテクニカルの面でレジスタンスの水準となる可能性がある。

ポンド円が207円台へ上昇した後もその勢いを維持する場合は、208.00をトライする展開が予想される。

一方、ポンド円が反落しても207円台を維持する展開となれば、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。このケースでも、208円台を視野にポンド円の上昇幅が拡大する展開を予想する。

分足のストキャスティクスとRSIで相場の過熱感を確認しながら、これらオシレーター指標が買われ過ぎの水準でデッドクロスにある時に、ポンド円が上で述べた各レジスタンスの水準をトライする局面では、相場の反落を警戒したい。

ポンド円:45分足 7月11日以降

ポンド円:45分足 7月11日以降

出所:TradingView

サポートゾーンの維持

一方、為替介入以外でポンド円(GBP/JPY)が下値をトライする場合は、203.75-204.00ゾーンの維持が焦点となろう(上の45分足チャート、赤ゾーンを参照)。

203.75レベルは、11日と12日の円高を止めた経緯がある(上の45分足チャート、黒矢印を参照)。その後、204.00レベルがサポート水準として意識されている。

いずれの円買い局面でも長い下ヒゲでの反発となった。この状況を考えるならば、203.75-204.00レベルを強固なサポートゾーンと想定しておきたい。

短期サポートラインと21日線の下方ブレイクは、上のサポートゾーンをトライするシグナルとなろう。前者のラインは今日現在、204.65前後で推移している。21日線は204.32レベルにある(下の日足チャート、緑ラインを参照)。

【再掲】ポンド円:日足 24年3月以降

【再掲】ポンド円:日足 24年3月以降

出所:TradingView


6月の消費者物価指数(CPI)

今日以降、ポンド円(GBP/JPY)の変動要因となり得るのが、17日の消費者物価指数(6月、CPI)と18日の賃金統計(3~5月の3か月週平均賃金)となろう。

6月CPIの市場予想では、英国のインフレが鈍化の傾向をたどる見通しにある。注目のコア指数は、前年同月比で+3.4%と、5月の+3.5%から鈍化の見通しにある。

一方、イングランド銀行(英中銀)が注目しているサービス価格は前年同月比で+5.6%と、前月の同比+5.7%から鈍化する予想となっている。

コア指数とサービス価格で英国のインフレが鈍化の傾向にあることが確認される場合は、現在五分五分の状況にある8月利下げの期待を高める要因となろう。利下げ期待の高まりはポンド売りの要因となろう。

英国の消費者物価指数(CPI):23年6月以降

英国の消費者物価指数(CPI):23年6月以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフとドット:6月の市場予想

英国の賃金動向

18日に3~5月週平均の賃金統計が発表される。英中銀はサービス価格だけでなく、賃金の動向にも注目している。

市場予想は前年同月比で+5.7%。2~4月の同比+5.9%から賃金インフレが鈍化する見通しである。賞与を除く賃金の伸びも前年同月比で+5.7%と、2~4月の+6.0%から鈍化の見通しとなっている。

市場が予想するとおり賃金インフレの鈍化傾向が確認される場合は、ポンド売りの要因となろう。

英国 賃金の伸び率:23年以降

英国 賃金の伸び率:23年以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成

強気相場の英ポンドと根強い円安

6月CPIと賃金統計がポンド売りの要因となっても、対米ドルでの下落は限定的となる可能性がある。

外為市場では現在、米連邦準備制度理事会(FRB)による9月の利下げ観測が急速に高まっている。利下げ期待の高まりを受け、米債市場では利回りが低下のトレンドにある。英国の金利も低下の基調にあるが、米英利回り格差(米国金利-英国金利)の動きを確認すると縮小の傾向にある。

利回り格差の動きに連動するように、ポンドドル(GBP/USD)は7月以降、節目の1.30レベルを視野に上昇幅が拡大している。

さらに現在の外為市場は、根強い円安も続いている。7月に入り日本円は、円買い介入と見られる円高をこなしながら、対英ポンドで約1%上昇している。

上で述べた状況を総合的に考えるならば、経済指標がポンド売りの要因となっても、ポンド円は上で述べたテクニカルポイントでサポートされる展開を想定しておきたい。

米英の利回り格差とポンドドルの動向:日足 23年7月以降

米英の利回り格差とポンドドルの動向:日足 23年7月以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成

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