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英ポンドに上昇圧力 経済指標の上振れ続く 2週間で4円超値上がり

英国で消費者物価指数などの経済指標が予想を超える強さになっている。ポンド円相場では12日以降、4円超のポンド高が進む。

出所:ブルームバーグ

英国で予想を上回る経済指標の発表が相次いでいる。英統計局が26日に発表した4月の小売売上高は前月比での伸び率が市場予想を超える大きさ。24日に発表された4月の消費者物価指数(CPI)も市場予想よりも高い結果だった。ポンド円相場は2023年1-3月期のGDPが発表された12日から4円超の円安ポンド高が進んでおり、ポンド高圧力が強まっているようだ。

4月のCPIの伸び率は予想を超える8.7%上昇

英統計局が発表した4月の小売売上高は前月比0.5%増。ロイター通信のエコノミスト調査で見込まれていた0.3%増を上回る強さだった。3月の改定値(1.2%)減からも上向いている。また、24日に発表された4月のCPIの伸び率は前年同月比8.7%で、こちらも市場予想の8.2%を上回った。食品、エネルギー、酒類、タバコを除いたコア指数の伸び率は6.8%で、やはり市場予想の6.2%を超える強さだった。

こうした中で、中央銀行のイングランド銀行(BOE)は6月の金融政策委員会(MPC)での利上げを見据えている。BOEは11日に0.25%の追加利上げを発表して物価上昇の抑え込みに手を打ったばかりだが、「さらなる金融引き締めが必要になる」可能性を示唆している。4月の物価上昇率は3月の10.1%からは大きく低下しているものの、高い物価上昇が長期にわたっていることや政府の予算措置で伸び率が抑えられたにすぎないとの見立てだ。

英国の消費者物価指数(CPI)と政策金利の推移

ポンド円は7年3か月ぶりの高値水準

BOEの利上げ姿勢はポンド円相場(チャート)で買い圧力になっている。金融情報会社リフィニティブのデータによると、ポンド円相場は11日に1ポンド=168.27円で取引を終えたが、12日に1-3月期の実質成長率が低いながらも市場予想通りの結果だったことが公表されると、ポンドを買って円を売る流れが強まった。25日には一時、172.76円をつけており、2016年2月上旬以来7年3か月ぶりの高値水準にある。

一方、日本経済は1-3月期のGDPの実質成長率が前期比0.4%(年率換算1.6%)と英国を上回っているが、26日に発表された5月の東京都区部の消費者物価指数(中旬速報値)は前年同月比3.2%という水準で、英国を大きく下回っている。日本銀行の植田和男総裁は物価上昇が安定的かつ継続的に続くとの判断には至っていないことを強調している。

日英の金利差が縮まる気配がない中で、当面はポンド高圧力が続く可能性が高そうだ。


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