コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

NY金 (ゴールド) 続落、今週は米経済指標にらみ 金価格の調整売りは押し目買いの好機

今週のNY金相場は、米経済指標にらみの展開が予想される。今は買いの過熱感が意識されやすい。ゴールドの調整売りを警戒したい。しかし金価格の下落は、押し目買いの好機と考えたい。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事のサマリー

今週のNY金相場は、米経済指標にらみの展開が予想される。この点を示唆したのが昨日の動きである。市場予想を上回った3月米PMI速報値を受けて「米金利の上昇→ゴールド売り」の展開となった。今日は3月の米消費者信頼感指数が材料視されるだろう。スポット金価格の週間予想レンジは2,950~3,060ドル。


NY金続落、米経済指標にらみの1週間

24日のNY金先物価格は前週末比5.8ドル(0.2%)安の3,015.6ドルと、続落して終えた。スポット金価格は、節目の3,000ドルをトライする局面が見られた。

ゴールド売りの主因は、強い経済指標を受けた米長期金利の上昇にあった。3月の購買担当者景気指数(PMI)速報値は53.5と、2月の51.6から上昇した。サービス業PMI が51.0から54.3へ拡大したことが寄与した。

トランプ関税のリスクが後退したこともゴールド売りの要因となった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、4月2日に予定されている関税対象の品目が公表されない可能性を報じた。また、米ブルームバーグは相互関税について、トランプ米政権が対象国を絞り込む可能性があると伝えた。関税懸念の後退は米株高の要因となる一方、NY相場の重石となった。

昨日の値動きを考えるならば、今週のNY金相場は米経済指標にらみの展開となろう。今日は3月の消費者信頼感指数(コンファレンスボード)がNY金相場の変動要因になり得る。この経済指標は個人消費との相関性が高く、景気の先行指標として注目されている。ブルームバーグがまとめた予想は94.0と、2月の98.3から低下の見通しにある。

期待指数にも注目したい。2月は72.9と景況感の分岐点である「80」を下回った。3月も予想より下振れする場合は、NY金相場の反発が予想される。一方、3月PMI速報値に続き強い内容となれば、「米金利の上昇と米株高→ゴールド売り」を想定したい。

米国 消費者信頼感指数:直近1年間

米国 消費者信頼感指数:直近1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成


意識されやすい買いの過熱感、短期のゴールド売りを意識

3月に入りNY金の先物価格は5.8%、スポット価格は5.4%上昇している。短期間での上昇幅拡大は、市場参加者に買いの過熱感を意識させる。この点について先物カーブ分析で確認すると、直近1週間前の水準と比べ若干ならが低下している。

多くの機関投資家が米国株の運用ベンチマークとするS&P500が200日線を日足ローソク足の実体ベースで突破し、リスク選好の機運が高まっている状況も考えるならば、NY金相場は短期の調整売りを警戒する局面にある。

市場の見通し(先物カーブ)

市場の見通し(先物カーブ)

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 25日10時時点


投機筋のゴールド買い

NY金相場は調整の反落を意識する局面にある。しかし、下値では引き続き押し目買いの好機を探りたい。

こちらのIGコモディティレポートで指摘したとおり、トランプ関税が世界経済にもたらす不確実性と欧州・中東の地政学リスクが中長期的にゴールド買いの需要を高める要因として意識されることが予想されるからだ。

また、投機筋の動きもNY金相場の下値要因となるだろう。データ更新の時間差を考慮する必要はあるが、米国商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、非商業部門の買い(ロング)が6週間ぶりに増加へ転じたことが分かった(3月18日時点)。売り(ショート)ポジションが横ばいの状況にあることも考えるならば、下落の局面では先行きのリスクをヘッジするために投機筋がゴールド買いを仕掛ける展開が予想される。

非商業部門のポジション動向

非商業部門のポジション動向

CFTCとブルームバーグのデータで筆者が作成/ 3月18日時点


金価格の見通しとテクニカルライン

反落局面での押し目買い、予想レンジの下限は2,950レベル
日足のMACDはデッドクロスへ転じる可能性が高まっている。トレンドの強さを示唆するADXは25以上にあるが、トレンドは横ばいへ転じている。いずれも上昇の勢いが衰えていることを示唆している。この状況で米経済指標が金利と株価の上昇要因となれば、スポット金(以下では金価格)の調整売りを想定したい。

週間の予想レンジ下限は2,950ドル。この水準は、2月24日の高値レベルにあたり、サポート転換の可能性がある。また今日現在、21日線が2,952ドルまで上昇している。すぐ下の2,945ドルには日足の一目基準線が推移している。これらテクニカルラインに挟まれた2,950ドルがレンジの下限として意識される展開を想定したい。

金価格が2,950ドルを目指すシグナルとして、まずはサポートラインへ転換している3,000ドルの攻防に注目したい。この水準は今月の12日安値と20日高値のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる。

金価格が3,000ドルを下方ブレイクする場合は半値戻しの水準2,981ドル、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準2,963ドルのトライを想定したい。

サポートライン
・3,000:38.2%戻し(1時間足)
・2,981:半値戻し(1時間足)
・2,963:61.8%戻し(1時間足)
・2,956:2月24日の高値(日足)
・2,952:21日線(日足)
・2,945:一目基準線(日足)

3,060ドルの攻防
金価格の上昇局面では、IGモディティレポートで注目しているフィボナッチ・エクステンション61.8%の水準3,062ドルを意識する状況が続こう(日足チャート、緑矢印を参照)。今月20日の市場ではこのテクニカルラインで上昇が止められた。レジスタンスラインとしての存在感が高まっている。

金価格が3,062ドルをトライするサインとして、以下にまとめた高値水準の攻防に注目したい。21日の高値3,047ドルの突破は3,062ドルをトライするサインと捉えたい。

レジスタンスライン
・3,062:フィボナッチ・エクステンション61.8%(日足)
・3,047:3月21日の高値
・3,033:3月22日の高値


金価格のチャート

日足:年初来

日足:年初来

出所:TradingView

1時間足:3月12日以降

1時間足:3月12日以降

出所:TradingView


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券の商品(コモディティ)トレード

  • 約70種類の商品が取引可能
  • 原油や金など主要な商品の円建て銘柄
  • 金・銀、原油はバイナリーでも

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。