相関関係の復活とテクニカルライン
ようやくドル円が動きてきました。注視すべきは、米債市場が膠着状態の中、109.30と109.50の各レジスタンスポイントを一気に突破した背景です。今日はこの点にフォーカスした内容です。注視すべきテクニカルラインも指摘しています。詳細はマーケットレポートをご参照ください。
・ドル円と米株の関係に変化の兆し
ドル円は昨日、109.30および109.50の各レジスタンスポイントを大陽線で一気に突破した。フィボナッチ・リトレースメント61.80%の水準である109.30は、テクニカ面で重要なポイントだった。11月上旬に上ヒゲでブレイクを許すも、ローソク足の実体ベースでは相場をレジストした経緯もある。だが、今回は実体ベースでの突破であり、且つNYクローズで109.50台の維持に成功した。ドル円がブルトレンドへ傾いているシグナルと捉えたい。
注目すべきはブルトレンドへ傾いている背景である。このレポートでは、今年4月以降、米長期金利(米金利)がドル円のトレンド決定要因であると指摘してきた。しかし米債市場の動向を確認すると、米金利は依然として1.7%-1.8%台のレンジで右往左往している。価格面では128-130ドルレンジで膠着した状況となっている。それでもドル円が昨日、上述のレジスタンスポイントを突破した事実は、もうひとつのトレンド決定要因である株式、特に米株との相関関係(順相関)が戻りつつあることを示唆している。ドル円と米株の順相関(米株高→ドル円上昇の関係)は今年1月から3月まで見られた。その関係が完全に復活したかどうかを確認するためには、現在の状況(=米債市場の膠着と米株高の維持という状況)でドル円がさらに上値トライとなるかどうかを確認する必要がある。しかし、10月上旬の106.50レベルおよび11月下旬の108.25レベルで底堅さを増して以降のドル円と米株の続伸基調を考えるならば、米株との相関性が復活していることを意識するフェーズへシフトしている。その米株だが、筆者の予想に反し現在でも最高値圏での攻防が続いている。順相関の復活を確認する必要はあるが、過去の経緯ではっきりしていることは米株が崩れない限り円高圧力は高まらないということである。よって、米株が最高値圏での攻防を維持する限り、ドル円の下落幅も限定的となろう。
【ドル円とS&P500の動向】
・最も注視すべき上値の焦点は?
ドル円がブルトレンドへ傾斜しているとなれば、焦点は次のレジスタンスポイントである。目先はオファーが観測されている109.80および110.00の突破が焦点である。だが、真に注目すべきはアベノミクス導入後の最高値125.85を起点とした長期レジスタンスラインである。今週現在、このラインは110.75前後で推移している。まだ現在レート(109.50レベル)との距離はあるが、110円台へシフトすれば当然このラインの攻防が市場の注目を集めよう。突破に成功する場合、それはアセンディング・トライアングルの完成を意味する。よって、2015年6月から続いたドル円の下落トレンドが終焉したと判断したい。逆に今回もこのラインの突破に失敗する場合は、110円以下の攻防が続く展開を予想する。
【ドル円チャート】
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