米FRBのタカ派スタンス傾斜の影響 / ドル円は124.00をブレイク 125円台の再トライが焦点に
米FRBのタカ派スタンス傾斜を受け、外為市場ではジワリと米ドル買いの圧力が高まっている。今後は資源高の局面でも新興国通貨に対して米ドル高となるか?この点が焦点に。ドル円は本日早朝に124.00を突破。次の焦点は125円の再トライ。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米FRBのタカ派スタンス傾斜の影響
【サマリー】
・米FRBのタカ派スタンス傾斜を受け長期金利は2.6%台へ・外為市場では米ドル相場が対資源国通貨でジワリと上昇
・ドル円は125円のトライが焦点に
・米FRBのタカ派スタンスを受け長期金利は2.6%台へ
米債市場では利回りの上昇が続いている。ハト派の代表格であるブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)理事が、バランスシートの縮小について積極的な発言(5月にも早急に縮小を開始すると発言)をし、6日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月15~16日開催分)では、パウエルFRBが金融引き締めペースの加速を志向していることがあらためて確認された。そして昨日はブラード・セントルイス連銀総裁がミズーリ大学での講演後、記者団に対して今年下期に政策金利を3~3.25%に引き上げることが望ましいとの考えを示した。
米FRBのタカ派スタンス傾斜を受け、長期金利(10年債利回り)は2.6%台へしっかりと乗せてきた。外為市場では、米ドル相場の大まかなトレンドを示すドルインデックスが直近の利回り上昇に連動する動きが見られる。来週12日に3月の消費者物価指数(CPI)が発表されるが、インフレの加速が確認される場合は、「米金融引き締めペースの加速への思惑→米金利の上昇→米ドル買い」のトレンドがさらに進行する可能性がある。
米長期金利とドルインデックスのチャート
・対資源国通貨でジワリ米ドル買い
米ドル買いの強さを見極めるために現在筆者が注目しているのが、対資源国通貨の動きである。今週の米ドル相場のパフォーマンスを確認すると、対円とユーロで米ドル高が進行しているが、これは政策スタンスの差(対円)と欧州の地政学リスク(対ユーロ)が意識されてることを示唆する動きである。
注目すべきは、対資源国通貨でも米ドル買いの圧力がジワリと高まってきていることである。「ロシアーウクライナ紛争の勃発→資源供給の問題→資源国通貨の買い」により、米ドル相場は対資源国通貨で下落する局面が多く見られた。しかし、米FRBのタカ派スタンス傾斜が鮮明となる中、そのトレンドが変わりつつある。
米ドル相場のパフォーマンス:今週(4日~)
この点は、昨日の動きも示唆している。7日の米国株は取引き終盤に上げ幅を拡大した。国際商品市況のトレンドを示すCRB指数は上昇トレンドに一服感が見られるも、高値圏で横ばい推移となっている。この状況でも、昨日の米ドル相場は資源国通貨に対して上昇した。この動きは、良好な3月の米雇用統計、ブレイナード理事のタカ派発言、そしてパウエルFRBのタカ派傾斜を裏付けるFOMC議事要旨の内容が影響していることを示唆している。
今後の焦点は、国際商品市況の上昇幅が拡大した際の米ドル相場の反応にある。この状況でも米ドル買い優勢の展開となれば、ドル円(USDJPY)の125円トライ(2015年6月高値125.85トライ)とユーロドル(EURUSD)の1.08トライおよびブレイクを意識したい。
米ドル相場のパフォーマンス:4月7日
ドル円は124.00をブレイク 125円台の再トライが焦点に
・焦点は124円台のトライから125円台のトライへ
ドル円(USDJPY)は本日早朝に、レジスタンスポイントとして意識されてきた124.00の突破に成功した。これまで相場の上昇を止めていた水準の突破は、市場参加者に地合いの強さを印象付けよう。
日米金融政策スタンスの差がメインテーマであることも考えるならば、次の焦点は125.00トライおよび突破となろう。これを達成する場合は、3月28日に付けた高値125.10レベルのトライおよび突破が焦点として浮上しよう。
・円安のけん制による反落には要注意
これからドル円の反落要因として注視すべきは、国内サイド(日銀のキーマン達や政府関係者)からの円安に対する言動である。今月6日の株安局面でもドル円が124円をトライし続けた事実を考えるならば、現状では円安のけん制発言しか円買い要因が見当たらない。この発言がある場合は、一時的にせよドル円の下落幅が拡大する可能性がある。
ドル円が反落する場合、目先は10日線(EMA)の攻防とその維持が焦点となろう。この移動平均線は今日現在、122.90台まで上昇している。よって、10日線の攻防は123円台を維持する攻防でもある。
今週に入り相場をサポートしている5日線(MA)を完全に下方ブレイクする場合は、下落幅の拡大と123.00レベルのトライを警戒しておきたい。
ドル円のチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。