【ドル円 (USDJPY)】原油先物相場、米金利の動向そして9月CPIが焦点に / 今日の見通しとチャートポイント
今週の外為市場は、原油先物相場の動向と米債市場の反応が焦点となろう。一方、経済指標では米国のインフレ関連指標が材料視されるだろう。今日のドル円の見通しとチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・今週の焦点のひとつは、原油先物市場の動向と米長期ゾーン利回りの反応となろう
・経済指標では、米国のインフレ関連指標が米金利と米ドル相場の変動要因となろう
・21日線をトライするドル円、目先は調整の反落相場を想定しておきたい
・一方、ドル円の反発局面では10日線と149円ミドルの攻防が焦点に
今週の注目材料
注目材料1:原油先物市場と米長期ゾーン利回りの反応
今週の焦点のひとつは、原油先物市場の動向と米債市場の反応となろう。
イスラム組織ハマスとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラによるイスラエルへの攻撃により、中東情勢が混沌としている。
週開け9日のNY原油先物価格(11月物, WTI)は1バレル=86.38ドルと、前週末比で3.59ドル(4.3%)高となった。一時は87.24ドルを付ける局面が見られた。
目先注視すべきは、原油先物市場の動向と米債市場の反応である。昨日の債券先物市場では米債買いが見られた。そして週明けの米10年債利回りは4.6%台へ、30年債のそれは4.8%台へそれぞれ低下している。
しかし底堅さを維持する米国の経済と労働市場、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め政策の長期化観測、そして米国債の需給に対する不透明感が意識されているタイミングで再び原油高が進行すれば、米債市場では長期ゾーンの利回りが5%台の水準を視野に上昇基調を維持するか、低下しても高止まりする可能性がある。
米長期ゾーン利回りの動向:月足 2006年以降
中東の地政学リスクを意識した原油高の進行が続き、米長期ゾーンの利回りが上昇で反応する場合、外為市場では米ドル高トレンドを意識する状況が続くだろう。
米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は現在、反落ムードが漂っている。MACDではデッドクロスが示現し、地合いの強さ(米ドル高トレンドの勢い)が後退していることを示唆している。
しかし、3月8日の高値105.88レベルがサポートの水準へ転換する可能性があり、かつ7月下旬以降に発生した上昇基調のトレンドチャネルを維持している。ゆえに現在の状況は、調整の反落相場の域にある。
「原油高の進行→米長期ゾーン利回りの上昇(高止まり)」の状況となれば、米ドル相場は調整の反落を挟みながらも上昇トレンドを維持することが予想される。
ドルインデックスのチャート:日足 23年3月以降
注目材料2:米国のインフレ経済指標
今週、原油先物市場以外に米債市場の変動要因として注目したいのが、米国のインフレに関連した経済指標である。
11日に9月の生産者物価指数(PPI)、12日に同月の消費者物価指数(CPI)そして13日に10月のミシガン大学期待インフレ率が発表される。いずれも米債市場の変動要因になり得る経済指標である。
なかでも各市場参加者の注目度が高いのが、9月CPIである。現時点での市場予想は、総合とコア指数でともにインフレの鈍化が予想されている。
米国 消費者物価指数(CPI)の推移:月次 22年9月以降
今回のCPIで注目したいのが、予想どおりにインフレの鈍化が示される場合の米長期ゾーン利回りの反応である。
9月の雇用統計では賃金インフレが抑制の傾向にあることが確認された。また、個人消費支出(PCE)価格指数は昨年の9月以降鈍化の傾向へ転じると、直近(8月)は前年同月比で3.9%と4.0%の水準を下回ってきた。それでも長期ゾーンの利回りは高止まりしている。
これらの動向を考えるならば、9月CPIでインフレの鈍化傾向が確認されても、他の要因が意識されることで米長期ゾーンの利回りは低下の局面を挟みながらも、上昇基調を維持する可能性がある。実際に米長期ゾーン利回りが高止まりの状況を維持すれば、米ドル相場をサポートしよう。
一方、9月CPIでインフレの鈍化が確認され、米長期ゾーン利回りが低下で反応する場合は、米ドル高の調整相場(調整の反落相場)が続くと予想する。
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
反落相場を警戒
今日のドル円(USD/JPY)は、調整の反落相場を警戒したい。
通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認すると、3ヶ月のそれは横ばい推移となっているが、1ヶ月のそれはジワリとドル・プットへの傾きが拡大する状況にある。この動きに連動し、ドル円の水準もジワリと切り下がっている。
下で述べるテクニカルの動向も、地合いの強さが後退している状況を示唆している。
ドル円とリスクリバーサルのチャート:日足 23年5月以降
焦点は2つの移動平均線の攻防
目先の焦点は、2つの移動平均線の攻防となろう。
直近のドル円(USD/JPY)は、10日線(今日現在149.07レベル)がレジスタンスのラインとして意識される状況にある。そして今日の東京時間に、サポートラインとして意識されている21日線(148.46レベル)を下方ブレイクする局面が見られた。
さらにストキャスティクスやMACDは、地合いの強さが後退していることを示唆している。
上で述べたリスクリバーサル(1ヶ月)の動向も考えるならば、今日は調整の反落相場を意識したい。
ドル円が21日線を完全に下方ブレイクする場合は、先週5日の安値148.26レベルの維持が次の焦点となろう。この水準をも下方ブレイクする場合は、148円割れを想定しておきたい。
ドル円が147円台の攻防へシフトする場合は、今月3日の急落を止めたフィボナッチ・リトレースメント23.6%の147.30レベルの維持が焦点として浮上しよう。
一方、ドル円(USD/JPY)が反発する場合は、10日線(今日現在149.07レベル)の上方ブレイクが焦点となろう。
ドル円がこの移動平均線を突破する場合は、先週6日の高値149.54レベル(149円ミドル)の攻防が次の焦点として浮上しよう。
しかし、上で述べたとおりテクニカルの面で今のドル円は、調整の反落相場を警戒する局面にある。また、昨日の債券先物市場では米国債を買い戻す動きが見られた。そして、本日東京時間では米10年債利回りが4.6%台へ、30年債のそれが4.8%台へそれぞれ低下している。
ドル円を取り巻く現在の状況を総合的に考えるならば、反発しても上で述べたレジスタンスの水準(10日線および149.54レベル)で反落する展開を意識しておきたい。
ドル円のチャート:日足 23年7月以降
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