米金利と資源・新興国通貨
株高のみのリスク選好、つまり米金利の上昇が株高に追随できない状況下での外為市場では、新興国通貨買い圧力が高まり易いことはこのレポートで何度も指摘してきました。直近の原油&銅価格の上昇も考えるならば、資源と新興国の両面を持つ通貨が買われると想定します。詳細はマーケットレポートにて。
Analysis Highlights
・米金利と資源&新興国通貨
8日の海外外為市場は米ドル安優勢の展開となった。だが、ドル円は111円台を維持し(安値111.27)、ユーロドルは21日MA(1.1280前後)手前で上値がレジストされ、米ドル売りは限定的だった。米株は上昇トレンドを維持した。ダウ平均こそボーイング問題で下落したが、ベンチマークとなるS&P500指数は高値2,895.95と、最高値2,940.91を視野に堅調地合いを維持。各ボラティリティ指数(VIX・VXN)も低水準で安定的な推移が続いた。一方、米長期金利は2.5%台の水準でキャップされるムードが出始めている。このムードを払しょくするためには、明日以降のインフレ指標を確認する必要がある。3月平均時給の伸びが3.4%から3.2%へ抑制され、且つ1月コアPCE(前年比)が2.0%から1.8%へと低下しているタイミングで、CPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)までが低下するならば、米長期金利は2.5%台でキャップされ続けよう。
「株高 / 米金利低下」の局面が続く場合、外為市場では資源&新興国通貨が堅調に推移しよう。株高トレンドというリスク選好の圧力に加え、米金利の低下を背景とした米ドル高リスクの後退という2つの恩恵を受けるからだ。そして直近の原油と銅価格の上昇も考えるならば、資源国&新興国通貨であるロシアルーブル、メキシコペソそしてチリペソが対米ドルで堅調に推移しよう。実際、年初来騰落率を確認すると、ロシアルーブルは約7.4%、チリペソは約4.6%、メキシコペソは約3.5%それぞれ対米ドルで上昇している。一方、G10通貨では産油国であるカナダドルが堅調に推移しよう(対米ドル)。
【新興国通貨の騰落率】
・ドル円は111円で売り買い交錯 ユーロドルは21日MAの攻防が焦点
株高トレンドは続いている。だが、米長期金利が2.5%台でキャップされ、この状況に大きな変化が発生するならば明日以降と予想し、本日のドル円は111円台を中心に売り買い交錯の展開を想定する。上値の焦点は直近高値111.80レベルの攻防となろう。株高のみのリスク選好ならばこのレベルをトライするだろう。しかし、112円台到達の可能性は低い。111.90および112.00にはそれぞれオファーが観測されている。一方、下値の焦点は111円台の維持となろう。テクニカル面での焦点は、10日MA(111.24)および21日MA(111.09)となろう。株式市場、特に米株が大きく崩れない限り、これらMAを維持する展開を想定する。111.10から111.00にかけては断続的にビッドが観測されている。
ユーロドルは21日MA(1.1280前後)の攻防が焦点となろう。10日のイベント(欧州理事会の緊急首脳会議、ECB理事会)が控えていることを考えるならば、これ以上ユーロを積極的に買うタイミングではない。上記のMA付近で上値がレジストされる展開を想定する。1.1280から1.1300にかけてはオファーが観測されている。一方、下値の焦点は1.12台の維持で変わらず。1.1200にはビッドの観測あり。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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