焦点は米指標データと金利の動向
米株を筆頭に主要国の株価指数は年初来からプラスで推移しています。また、NY原油価格も62ドル台へ乗せてきました。しかし、これらの動向に米長期金利が追随できない状況が続いています。リスク資産と金利が正常な関係へ戻るためには何が必要でしょうか?マーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・焦点は米指標データと金利の動向
米株は調整を挟みながら上昇基調を維持している。特にハイテクセクターが株高のけん引役となっている状況が、現在の米株の強さを物語っている。だが、リスク選好相場は米株に限ったことではない。主要国の株価指数のパフォーマンス(年初来騰落率)を確認すると総じてプラス圏を維持している。また、原油価格に対する上昇圧力も高まっている。株高に連動しNY原油先物(5月限)は昨日、2018年11月7日以来となる62.75まで上昇する局面が見られた。現在注目すべきは「株高/原油高」に追随出来ない米長期金利の動向である。金利が上昇トレンドを形成しない限り、米ドル相場の上昇は他通貨売り次第となろう。他通貨売りの中で、現在最も注視すべきはユーロ売りである。事実、主要な先進国通貨の中でユーロは約2.4%下落している(対米ドル)。日本円とスイスフランはともに約1.60%の下落率にとどまっており、その他の先進国通貨および主要な新興国通貨(トルコリラ以外)は対米ドルで堅調地合いを保っている。
リスク資産と安全資産への需要が同時に高まっている主因は、世界経済のけん引役である米国経済の先行き不透明感にある。そうである以上、リスク資産と米金利間の順相関を復活させる要因は、現状良好な指標データ以外見当たらない。この点は市場予想を上回ったISM製造業指数に金利が上昇で反応し、減少したコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)に低下で反応した事実からも明白である。本日は3月ISM非製造業景況指数の内容に米金利の動向が左右される展開を想定する。
【米株・米長期金利・NY原油のパフォーマンス】
・ドル円は112円 ユーロドルは1.1174トライが焦点
今日のドル円は底堅い展開を想定する。上値の水準は上述した米金利の動向次第となろう。良好な米指標データが確認されるならば「株高/金利上昇」を土台に上値トライを想定する。最大の焦点は112.00(3月3日高値112.12)の攻防となろう。112.00および112.20にはオファーが観測されている。一方、株式市場が調整圧力に直面するケースでは下値トライを警戒したい。しかし米株大きく崩れない限り、10日MA(110.72前後)で反発する展開を予想する。110.90および110.60にはビッドの観測あり。
ユーロドルの焦点は重要サポートポイントの1.1174の攻防である。このレベルを目指すかどうかは米金利の動向次第となろう。良好な指標データを背景に米金利に再び上昇圧力が高まれば、上記の重要サポートポイントをトライする展開を意識したい。1.1180には厚いビッドが観測されている。一方、調整の反発相場となる場合は、10日MA(1.1256前後)のトライが焦点となろう。1.1250-55にはオファーが観測されている。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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