原油価格にらみの米金利とドル円 / ドル円と豪ドル米ドルのポイント
サマリー:「オミクロン株の情報に市場心理が揺れ動いている。米金利とドル円は原油価格にらみの展開に。豪準備銀行(RBA)イベントと豪ドル相場の焦点は?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
原油価格にらみの米金利とドル円
・オミクロン株関連の情報に揺れる
アメリカ政府の首席医療顧問を務めるファウチ博士は米大手メディアCNNとのインタビューで、オミクロン株の重症化リスクについて断定するのは時期尚早としながらも「それほど高くないようだ」と指摘。ロイターの報道では、欧州疾病予防管理センター(ECDC)に報告されている欧州の感染例70件のうち、半分の患者が無症状、半分は軽症だったという。
オミクロン株の全容が判明するまで、この件に関する情報で市場心理は揺れ動くだろうが、米国株やNY原油先物価格で下げ止まり感が出始めていることを考えるならば、オミクロン株の懸念はひとまず後退しつつある。
・原油価格にらみのドル円
筆者が重視している指標のひとつが、米ドル相場や米国株のトレンドに大きな影響を与える米長期金利(以下米金利)の動きである。今年後半以降、米金利はNY原油先物価格との相関性(順相関の関係)が見られる。事実、昨日は原油価格の反発に連動し、米金利は1.44%まで反発する局面が見られた
その米金利は、米ドル相場のトレンドに大きな影響を与えている。特にドル円(USDJPY)との相関関係が未だ健在であることを考えるならば、ドル円も原油価格にらみの展開といえる。
米長期金利とNY原油先物価格のチャート
ドル円と豪ドル/米ドルのポイント
・ドル円(USDJPY)
昨日のドル円(USDJPY)は、リスク選好相場にサポートされ113円台でしっかりした動きとなった。
「NY原油先物価格の上昇→米金利の反発」地合いが続く場合、まずは直近高安のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準113.66レベルのトライおよび突破が焦点となろう。12月に入り、この水準前後で相場の戻りが抑制されるトレンドが見られる。
113.66レベルを完全に突破する場合は、114円のトライが焦点として浮上しよう。113.92レベルには21日線(SMA)が推移している。114.00レベルが半値戻しの水準にあたることも考えるならば、テクニカルの面で114.00レベルがレジスタンスポイントとして意識されるかどうか?は、短期的なトレンドを考える上で重要なポイントである。
一方、ドル円が反落する場合、まずは113円台の維持が焦点となろう。112円台へ反落する場合の焦点は、112.50-60ゾーンの維持で変わらず。
ドル円のチャート
・豪ドル/米ドル(AUDUSD)
今日は豪準備銀行(RBA)の金融政策理事会がある。すでに債券買入れの減額を行い、現在は週40億豪ドルペースとしているが、利上げについては11月の理事会で2024年まで必要なし(議事要旨)としている。
豪州のインフレ率(消費者物価指数トリム平均)は7-9月期に前年同期比で2.1%上昇したが、2~3%の目標レンジ内にある。供給制約が徐々に解消されていけば、同国のインフレ率は目標レンジの付近で推移する可能性が出てくる。
また、RBAは労働市場の動向を重視していること、中国経済が減速する可能性やオミクロン株の影響といった要因も考えるならば、今回の会合で政策の方針転換をしてくる可能性は低い。この点は、市場も織り込み済みである。よって、利上げに積極的なスタンスを示す等のサプライズがない限り、今回の会合が豪ドル相場に与える影響は限定的と予想する。
むしろ今の豪ドル相場で注目すべきは、11月以降、対米ドル(AUDUSD)で売られ過ぎの状況にあることだろう。パウエルFRB議長が政策転換を急ぐスタンスを示してきたことを考えるならば、豪ドル/米ドルのトレンドはダウンサイドにある。
だが、オミクロン株への懸念が後退しつつあり、それに伴い資源価格(CRB指数)が反発ムードにあることも考えるならば、豪ドル/米ドルも短期的に反発する展開を想定しておきたい。
実際に豪ドル/米ドルが反発する場合、フィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防が焦点となろう。特に注目すべきは、半値戻しと61.8%ゾーンの攻防である。0.7090はサポートとしてもレジスタンスとしても意識された経緯がある。また、0.7105レベルには今日現在10日EMAが推移している。
一方、豪ドル/米ドルが、リトレースメント38.2%の水準すら突破出来ないとなれば、反落リスクを警戒したい。このケースでは、0.70レベルおよび直近安値0.6991レベルの維持が焦点となろう。
豪ドル/米ドルのチャート
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