米金利の低下幅は限定的 米ドル相場は金利にらみの状況が続く / ドル円とユーロドルのチャートポイント
米コアインフレ率は予想以下となるも、今後の動きは雇用市場と資源価格の動向次第。米金利の低下に連動しドル円は125円を一時割り込む展開に。しかしすぐに125円台を回復し底堅さを維持。ユーロドルはECBイベントを前に下落トレンドが続く。目先のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利の低下幅は限定的 米ドル相場は金利にらみの状況が続く
【サマリー】
・米コアインフレ率は予想以下の結果に 米金利は低下で反応
・米ドル相場 金利にらみの状況は変わらず
・昨日のドル円は市場参加者に底堅さを印象付ける展開に
・ユーロドルは1.08トライを視野に下落トレンドを維持
・米コアインフレ率、金利の反応そして今後の焦点
3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で8.5%となり、2月の7.9%からインフレが加速した。一方、コアインフレ率は6.5%と2月の6.4%から若干上昇したが、市場予想の6.6%を下回った。昨日の米債市場はコアインフレ率の動きに反応し、2年債、5年債そして10年債の各利回りは低下した。しかし利回りの低下幅は限定的であり、長期金利は2.7%台の水準を維持した。
米長期金利のチャート
米インフレのピークアウトに関する報道が散見されるが、どの時期にピークアウトするのか?そしてピークアウトした後、順調に低下基調をたどるかどうか?については、今後の雇用市場と資源価格の動向次第となろう。
前者については、今月1日に発表された3月の米雇用統計で堅調な雇用増が確認されたことで、今後は賃金の上昇圧力が弱まる可能性がある。
一方、後者については、エネルギー価格の動きを注視する状況が続こう。昨日の国際商品市況では、原油先物価格が上昇した。北海ブレント原油(Brent)は一時105ドル台を付ける局面が見られた。NY原油先物(WTI)は100ドル台の水準を回復した。需給のひっ迫状態が続きエネルギー価格の高止まりが続けば、インフレが思うように低下しない状況に陥る可能性がある。
原油先物価格のチャート
・米ドル相場は金利にらみの状況が続く
上で述べたとおり、昨日はコアインフレ率の動きを受け米金利が低下した。一方、米国株は決算シーズン前ということもあり、続落の展開となった。そして外為市場では、資源と関わりの深い国の通貨を中心に米ドルが下落した。
昨日の米ドル相場の動きは、金利にらみの状況が続いていることを示唆している。米金利の低下があったからこそ、原油先物価格の上昇がサポート要因となり資源国通貨は対米ドルで上昇したと考えられるからだ。
一方、ドル円(USDJPY)は横ばい推移となった。この動きは、ドル円のトレンドが米金利に左右されていることを示唆している。同時に、株式動向のインパクトが薄れていることも示唆している。事実、米国株が続落しても米金利の低下幅が限定的だったことで、ドル円は安値124.77レベルからすぐに切り返し、難なく125円台の回復に成功した。
米ドル相場のパフォーマンス:4月12日
ドル円は底堅さを印象付ける展開に
・125円台を維持するドル円 焦点は125.85トライ&ブレイクで変わらず
ドル円(USDJPY)は昨日、米金利の低下に連動し安値124.77レベルまで下落した。しかし、すぐに125円台を回復し、本日午前は125円前半で推移している。昨日の動きは、ドル円のトレンド決定要因が米金利にあること、また堅調地合いにあることを市場参加者に印象付けた。
今日の焦点は、引き続き125.85レベルのトライ&ブレイクとなろう。今週に入り125.75-77レベルで上値が抑制される状況が続いている。125.77レベルの突破は、125.85トライのシグナルとなろう。米金利が上昇トレンドを維持する場合は、126円台の攻防へシフトする展開も想定しておきたい。
一方、米金利の低下、もしくは円安のけん制などでドル円が反落する場合は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準124.71レベルの攻防に注目したい。昨日は、このテクニカルポイントのすぐ上で反転した。ドル円が23.6%の水準を完全に下方ブレイクする場合は、124円台の維持が焦点として浮上しよう。124.00のすぐ上は、リトレースメント38.2%の水準(124.05)である。また今日は、3月の上旬以降、ドル円のサポートラインとして意識されている10日線(EMA)も38.2%と同じ水準で推移している。
ドル円のチャート
ユーロドルは下落トレンドを維持 1.08トライが焦点に
・焦点は1.08の攻防
ユーロドル(EURUSD)は、下落トレンドを維持している。昨日は米金利の低下局面で1.09レベルをトライしたが勢いは続かず、その後は安値1.0820レベルまでズルズルと下落した。
目先の焦点は、欧州中央銀行(ECB)イベントである。年内の利上げ観測が短期金融市場で織り込まれているが、今のユーロドルはロシアーウクライナ紛争の長期化と経済の悪影響、そして米FRBの金融引き締めペース加速の方が意識されている。日足ローソク足の形状は、連日で長い実体の陰線引け。そして、重要サポートポイント1.08レベルをトライする状況にある。
ユーロドルが1.08をブレイクする場合、フィボナッチ・プロジェクションで次のサポートポイントを探ると、61.8%の水準1.0757レベルが浮上する。まずは、この水準の攻防となるかどうか?この点に注目したい。
1.08ブレイク後にもう一つ注目すべきことは、この水準がサポートからレジスタンスへ転換するかどうか?この点にある。これが確認される場合は、ユーロドルの下落トレンドが続くシグナルとして捉えたい。
ユーロドルのチャート
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