米ドル高のトレンドは変わらず / ECBイベントとユーロドルの注目ポイント
昨日の外為市場は米ドル売り優勢の展開となった。しかし、FRBによる0.75ポイント利上げの可能性が高まっている状況を考えるならば、米ドル高のトレンドは続く可能性がある。今日の注目材料はECBイベント。ユーロドルのチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米ドル高のトレンドは変わらず
【サマリー】
・「原油安→米金利の低下」で外為市場では米ドル高を調整する展開に
・9月FOMCで0.75ポイント利上げの可能性が高まる
・今日の焦点はECBイベントとユーロドルの反応
・ユーロドルのチャートポイントについて
・米ドル高のトレンドは変わらず
7日の国際商品市場では、原油先物価格が下落した。世界的な金融引き締めの潮流とさえない中国貿易統計の内容が相場の重石となった。原油安でインフレ期待が後退し、米債市場では長期ゾーンを中心に利回りが低下した。米金利の低下は、外為市場で米ドルの売り圧力を強めた。
NY原油先物価格、米長期金利、ドルインデックスのチャート
しかし、昨日のドル円(USDJPY)は、高値144.99まで急騰した。一方、ポンドドル(GBPUSD)は一時、1985年以来の水準(安値1.1406レベル)まで下落する局面が見られた。
連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長はインフレを抑制するために必要な対応を取り続けるスタンスを示し、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)では0.75ポイント利上げの可能性が高まっているとの報道が見られた(ウォールストリートジャーナル)
今月から量的引き締め(QT)のペースが加速することも考えるならば、FOMCまで米金利は上昇基調を維持するか高止まりする可能性がある。昨日の米ドル安は、米ドル高トレンドの調整相場と見るべきだろう。
ドル円とポンドドルのチャート
ECBイベントとユーロドルの反応
・利上げはユーロ買い要因とならず
今日の理事会で欧州中央銀行(ECB)は、インフレの進行を抑制するために利上げを決定するだろう。
オランダ中銀のクノット総裁やオーストリア中銀のホルツマン総裁らは、0.75ポイント利上げの可能性について言及している。
ECBキーマン達がタカ派スタンスへ傾斜していることを受け、外為市場では今回の理事会でECBが0.75ポイントの利上げに踏み切る可能性が意識されている。
だが、大幅利上げそれ自体が対米ドルでのユーロ買い要因となる可能性は低いと考えられる。大幅利上げを期待したユーロ買いがすでに見られたからだ。そして、その局面でユーロドル(EURUSD)の戻りが限定的だったことも考えるならば、一連のECBイベント(ECB理事会とラガルド総裁の会見)後にユーロドルは下落で反応する可能性がある。
・ユーロ買いの要因は
一方、ユーロ買いの要因として注目したいのが、持続的な大幅利上げを実行する姿勢をラガルドECB総裁が示すかどうか?にある。
ロシアーウクライナ紛争の長期化とそれによる景気後退のリスクが高まっていることを考えるならば(今後数四半期のうちにユーロ圏経済がテクニカルリセッションに陥る可能性が指摘されている)、外為市場ではECBの持続的な利上げに懐疑的な見方がある。
だが、ラガルドECB内ではインフレの進行に対する警戒レベルが上がっている。ゆえに7月の理事会では11年ぶりの利上げに踏み切り、その幅も22年ぶりの大きさとなる0.5ポイントだった。
パウエルFRBと同じく、ラガルドECBも景気後退のリスクよりインフレリスクの対応に重きを置き、持続的な大幅利上げの可能性を示唆する場合、ユーロドルはもう一度調整の局面(反発の局面)を迎える可能性がある。
・ユーロドルのチャートポイント
ECBイベント後にユーロドル(EURUSD)が下落で反応する場合は、IGレポートで何度も指摘しているフィボナッチ・プロジェクションの各水準での攻防に注目したい。
9月6日の下落を止めた76.4%の水準0.9862レベルを下方ブレイクする場合は、0.98台の維持が次の焦点として浮上しよう。ユーロドルが0.98台を完全に下方ブレイクする場合は、100.0%の水準0.97レベルのトライおよびブレイクが焦点として浮上しよう。
一方、ECBイベント後にユーロドルが上昇で反応する場合、目先の焦点は21日EMAの突破である。
この移動平均線を上方ブレイクする場合は、レンジの上限候補となっている1.01レベルをトライする展開が予想される。
この水準(1.01レベル)でユーロドルの上昇が止められる場合は、明日以降の反落相場を警戒したい。一方、ユーロドルが大陽線で1.01レベルの突破に成功する場合は、短期レジスタンスラインのトライおよびブレイクが焦点として浮上しよう。このラインは今日現在、1.0183レベルで推移している。
ユーロドルのチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。