雇用統計まで米金利は小動きを予想 / ドル円と豪ドル米ドルの焦点
サマリー:『今週4日の雇用統計まで米金利は小動きを予想。ドル円もレンジを予想。豪ドル/米ドルは上値トライを意識。上下のチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米雇用統計まで米金利は小動きを予想
市場が抱く米国のインフレ期待は、ひとまずピークアウトの兆しが見られる。この状況で米長期金利(以下では米金利)が緩やかに反発する場合、現在の米ドル安トレンドが変わる可能性がある。
FEDの関心が雇用情勢に向いていることを考えるならば、米金利の反発要因として注目すべきは、雇用関連の指標データである。まずは4日の雇用統計が焦点となろう。それまで米金利は、レンジ内での小幅な推移を予想する。
期待インフレ率と米長期金利のチャート
なお、今日は5月ISM製造業景気指数が発表される。市場予想は60.7(リフィニティブ調べ)。4月に55.1へと落ち込んだ雇用も含め総合的に市場予想を上回る内容となれば、米金利は反発する可能性がある。だが、雇用統計が控えていることを考えるならば、米金利の上昇幅は限定的になると予想する。よって、このケースでの米ドル買いも限定的になると予想する。
一方、インフレ期待が落ち着く中でISM製造業景気指数が市場予想以下となれば、米金利は下限の1.5%を視野に低下する可能性がある。このケースでは、米ドル安優勢の展開を想定したい。
ドル円の焦点
ドル円(USDJPY)は米金利をにらんだ展開が続こう。
FEDの関心が雇用にある以上、市場の関心もそこに向かっている。よって、4日の5月雇用統計が発表されるまでは米金利もドル円も動きづらい。この点を意識してか、市場の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(ドル円 /1週間)にも大きな動きは見られない。
このような状況の中で今日のISM製造業指数が市場予想を上回る場合、ドル円は110.00を再び突破できるかどうか?この点が焦点となろう。28日に長い上ヒゲが示現して110円台の維持に失敗した経緯を考えるならば、110.00前後での売り圧力は強い。
雇用統計前の指標データで110円をトライしても、反落するリスクを警戒したい。
一方、米金利が低下基調を維持する場合は、ドル円の下値トライを想定したい。しかし、円安トレンドが続いていることから、下落幅は限定的となろう。
まずは、先月27日に相場をサポートした21日EMA(109.18レベル)の攻防に注目したい。すぐ下の109.15は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる。
108円台の攻防へシフトしても、50日EMA(今日現在108.78レベル)までの下落が限界と予想する。108.83は直近高安の半値戻しの水準にあたる。
ドル円のチャート
豪ドル/米ドルの焦点
今日は豪準備銀行(RBA)が政策金利を発表する。市場予想は0.1%で据え置き。また、RBAは7月の会合で政策の変更を行うかどうかを検討すると表明しているため、今回は量的緩和等の金融政策も現状維持となる可能性が高い。
RBAが現行の金融政策を維持する場合、豪ドル相場への影響は限定的となろう。米株で再び強さが戻りつつある状況と0.7680レベルで二度下値がサポートされた展開を考えるならば、目先の豪ドル/米ドル(AUDUSD)は下限を0.7680、上限を0.7820としたレンジの攻防を想定したい。
今日現在、50日EMA(今日現在0.7736レベル)を再び突破している。米金利は4日の雇用統計まで大きく動く可能性は低い。この状況で米株が上昇トレンドを維持する場合、豪ドル/米ドルは21日EMA(今日現在0.7749レベル)、先月24日と27日に上値を抑制した0.7760レベル、同月20~21日にかけて上値を抑制した0.7780レベルの各レジスタンスポイントを突破できるかどうか?これらの点に注目したい。
これらのポイントをことごとく突破する場合は、0.7820のトライを意識したい。
一方、今日のISM製造業景気指数や3日のISM非製造業景気指数が良好な結果となり、雇用統計前に米金利が反発する展開となれば、0.7680レベルで3度下値がサポートされるかどうか?この点が焦点となろう。
豪ドル/米ドルのチャート
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