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米ドル安の圧力が高まりやすい相場とは / 豪RBAイベントと豪ドル米ドルの焦点

今の米債市場は利回りによって動きが異なる。米ドル相場は引き続き長期金利の動きを注視する展開に。株高のみのリスク選好相場では米ドル安の圧力が高まりやすい。今日は豪RBAイベントに注目。豪ドル/米ドルのチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

米ドル安の圧力が高まりやすい相場とは


【サマリー】

・米債市場では利回りによって異なる動きが見られる
・株高のみのリスク選好相場では米ドル安の圧力が高まりやすい
・豪RBAイベントの焦点
・豪ドル/米ドルのチャートポイント



・米債市場 2年債利回りと長期金利で異なる動き

1月31日の米債市場では、2年債利回りが月間で40ベーシスポイント(bp)以上、上昇する展開となった(チャート緑の矢印)。米金融政策の方向性を織り込む特徴がある2年債利回りの急上昇は、パウエルFRBの金融引き締めペースの加速を意識した動きと言える。今後のインフレ動向次第では、2年債利回りの上昇トレンドが続くだろう。

対照的に10年債利回り(以下では長期金利)は、1月中旬を過ぎたあたりから上昇が抑制されている。長期金利は景気の先行きを反映して動く特徴がある。その利回りの上昇が今後も抑制され続けるならば、性急な金融引き締めがアメリカ経済の拡大を阻害する要因として、米債市場の参加者が捉えているシグナルとなろう。

米金利のチャート

米金利のチャート


・株高のみのリスク選好相場では米ドル安の圧力が高まりやすい

昨日は米長期金利の上昇が抑制された一方、米国の株式市場では主要3指数が上昇して引けた。米ドル相場にとって重要なことは、米長期金利の上昇を伴わない「株高のみのリスク選好相場」では、外為市場で米ドル売りの圧力が高まりやすい、ということである。事実、1月31日の外為市場では主要通貨に対して総じて米ドル安優勢の展開となった。

今後、上昇トレンドにある2年債利回りと米ドル相場の相関性が高まる局面が見られるだろう。しかし、現時点では両市場に明確な相関性は確認できない。よって、目先の米ドル相場は、引き続き米長期金利の動きを軸にトレンドが左右されることを想定しておきたい。

米ドル相場のパフォーマンス(1月31日)

米ドル相場のパフォーマンス(1月31日)



豪RBAイベントと豪ドル/米ドルの焦点

・焦点は利上げスタンスの変化

本日、豪準備銀行(RBA)は金融政策会合を開く。

今回の焦点は、利上げスタンスの変化にある。昨年12月の声明では利上げについて「条件が整うまでに時間がかかる」、「辛抱強くなる準備ができている」とし、早期の利上げには慎重なスタンスを示した。

しかし短期金融市場では、今年5月3日の会合でRBAが0.15%の利上げに踏み切る可能性を53%程度まで織り込んでいる。

同国の総合インフレ率が中銀目標レンジの2-3%を超える3.5%(前年比)へ上昇し、コアインフレ率に当たるトリム平均値も2.6%(同比)と、中銀目標レンジの中央値を上回っている。主要国の中銀が相次いでインフレに対応するため金融政策の正常化に向けて舵を切っていることも考えるならば、今回の会合でRBAが早期の利上げに積極的なスタンスを示す可能性がある。

株式市場が反発しているタイミングでRBAが利上げに対して積極的なスタンスを示す場合、対米ドルと円で豪ドルが上昇する展開を予想する。


・豪ドル/米ドルのチャートポイント

RBAイベントで豪ドル買いの圧力が高まる場合、豪ドル/米ドル(AUDUSD)の焦点は0.71レベルのトライおよび突破となろう。この水準は直近高安の38.2%の水準にあたる。また、10日線(EMA)が推移している水準でもある。この移動平均線は、先月26日に相場の戻りを止めた経緯がある。

10日線の上方ブレイクに成功する場合、次のターゲットは直近高安の半値戻し0.714レベルの攻防が焦点となろう。この水準付近には、21日線(EMA)が推移している。

一方、RBAが利上げに対して慎重スタンスを維持する場合は、豪ドル売りが予想される。このケースでは豪ドル/米ドルの下落を想定したい。

下落幅は株式の動向に左右されよう。株式市場が反発地合いを維持する場合は、0.70台の維持が焦点となろう。

一方、株式市場、特に米国株が下落する場合は、0.70の下方ブレイクと昨日の安値0.6978のトライを想定しておきたい。

豪ドル/米ドルのチャート

豪ドル/米ドルのチャート

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