FOMCを受けた米長期金利の反応 / ドル円のチャートポイント
目先は、連邦公開市場委員会(FOMC)の内容に米国市場全体がどのように反応するか?が焦点に。特に米長期金利の動きに注目。ドル円は米金利にらみの展開が続く。上下のチャートポイントは?
FOMCを受けた米長期金利の反応
【サマリー】
・米PMI指数は20年7月以来の水準へ低下
・FOMC後の米長期金利の反応に注目
・ドル円は5年と10年の日米利回り格差との相関が高い
・ドル円のチャートポイントについて
・米PMI指数の低下
昨日発表された1月のアメリカ総合購買担当者指数(PMI)速報値は50.8と、前月から6.2ポイント低下し、2020年7月以来の低水準となった。製造業の指数は55.0(予想56.8)、サービス業の指数は50.9(予想55.0)と総じて市場予想を下回った。後者(サービス業)の水準も2020年7月以来の低水準となった。鈍化傾向が見られる投入価格はインフレがピークに近い可能性を示唆している。しかし、労働力の供給不足が企業活動の足かせとなっていることが、各PMI指数で確認された。
・FOMC後の米長期金利の反応
今月14日に発表された個人消費関連の経済指標(12月小売売上 / 1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値)の落ち込みも考えるならば、長引く供給不足と高インフレが米国経済の成長を阻害する可能性がある。この点を市場参加者がどのように考えているのか?を図る上で重要な指標となるのが、米長期金利(10年債利回り)である。
直近の米長期金利の動きを確認すると、先週19日に1.9%を付けた後、リスク回避相場に連動し米債が買い戻される(利回りが低下する)展開となっている。しかし、1.7%の水準がレジスタンスからサポートへ転換し、現在はFOMC待ちムードとなっている。
一方、下落相場が続いていた米国株だが、昨日は取引終盤に急速に買い戻され、ダウ平均(DJI)とS&P500指数(SPX)の日足ローソク足で「セリング・クライマックス」を思わせる長い下ヒゲが示現した。
パウエルFRBは1月の連邦公開市場委員会(FOMC、25~26日)で、改めて高インフレを抑制するために金融引き締めのスタンスを示してくるだろう。しかし、米国の株式市場が政策転換のリスクをひとまず織り込んでいるなら、昨日の下ヒゲは「セリング・クライマックス」となろう。
米国株が反発で反応する場合、注視すべきは米長期金利の反応である。
長期金利が低下で反応する場合、株式市場と債券市場では景気の先行きについての捉え方が違うというシグナルになり得る。FOMC後に米長期金利が低下で反応し、その後も同じ状況が続く場合、短期的には米国株の買戻し要因となり得る。
しかし、中期的にはパウエルFRBの金融引き締めが景気の拡大を阻害するとの懸念が意識されることで、米国株は不安定な状況に陥る可能性がある。米国株が不安定になる局面では、外為市場で円買いが散見されると予想する。
米長期金利のチャート
ドル円のチャートポイント
・米金利との相関性
ドル円(USDJPY)は現状、113.46-47レベルで二度下値がサポートされている。このままダブルボトムを形成するかどうかは、FOMC後の米国市場の動向次第となろう。
FOMC後に米国株が反発する場合、ドル円は底堅い展開となることが予想される。だが、上値の水準は米金利の動きに左右されるだろう。
現在のドル円の上昇は、昨年9月下旬から始まった。主因は、日米の金融政策スタンスの差と日米利回り格差の拡大にある。
ドル円と利回り格差の相関性を確認すると、5年債利回り格差(5YT)および10年債利回り(10YT / 長期金利)格差との相関性が、2年債利回り格差(2YT)よりも高いことがわかる。
ドル円と日米利回り格差の相関
・チャートポイント
FOMC後、米国株の上昇に連動し、米5年債利回りや長期金利が上昇で反応する場合、50日線と10日線を上方ブレイクする展開を予想する。これら移動平均線がサポートへ転換する場合は、115.00トライのシグナルと想定しておきたい。
一方、上述したとおり米国株が上昇で反応しても米金利の上昇が抑制される場合は、上で述べた移動平均線で反落する可能性がある。移動平均線の突破に成功しても、米金利の上昇なしに115円台を回復する可能性は低いと予想する。
なお、FOMCがリスク回避イベント(米株安および米金利の低下イベント)となる場合は、113.46-47レベルのサポートポイントを下方ブレイクする展開を想定しておきたい。このケースでは、113.00トライを警戒したい。
ドル円のチャート
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