外為市場、今週の展望と注目材料について
今週の外為市場では円高がさらに進行するかどうか?この点に注目したい。どのような要因が円高圧力を高めるのか?米ドル相場を動かす材料は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今週のドル円の焦点についてはこちらのレポートを参照
※今週のユーロドルの焦点についてはこちらのレポートを参照
【サマリー】
・今週の外為市場では円高の進行を警戒しておきたい
・金融不安や景気リスクによる株安は円高の圧力を高める要因となろう
・今週の注目材料はFEDスピーカー達の言動と2月PCEデフレーターとなろう
米金利の低下基調と米ドル安
米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、米債市場では利回りの低下基調が続いている。
金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは調整の反発を挟みながら3.7%台まで低下している。短期間で低下幅が拡大したことを考えるならば、大きなイベント以外で低下幅が急拡大する可能性は低い。
しかし短期金融市場では、早ければ6月に連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに転じることを織り込む動きが続いている。この状況を考えるならば、米債市場では利上げサイクルの終了を意識する状況が続くだろう。よって、米金利の低下基調または反発しても上昇幅が限定的となる状況が続く限り、外為市場では米ドル安優勢の局面が散見されよう。
米2年債利回りのチャート
今週の外為市場では円高の進行を警戒
今週の外為市場では、円高が進行するかどうか?この点に注目したい。ドル円(USDJPY)は3月8日に137.91レベルまで反発した後、低下基調へ転じている。この動きに連動するように、クロス円は総じて円高優勢の展開となっていることが分かる(下のチャートを参照)。
ドル円は現在、「米金利の低下基調→米ドル安」の影響を受けやすい状況にある。事実、先週24日の市場では一時130.00を下方ブレイクし、安値129.64レベルまで下落する局面が見られた。
欧米の株式市場は現在、金融システム不安に直面し銀行株の下落が続いている。米金利が低下基調にあるなか、金融システム不安に関する新たなヘッドラインが欧米株式の下落要因として意識され続ける場合、円相場全体で円高の進行が予想される。特に、リスク資産と連動して動く豪ドルは対円(AUDJPY)で下落幅が拡大する展開が予想される。
円相場の動向:3月8日~24日
今週の注目の材料
外為市場のトレンドに影響を与える材料として、今週は金融政策に深く関わる要人の発言と米国のインフレ指標に注目したい。
先週24日、セントルイス連銀のブラード総裁は記者団との電話会見で、政策金利の見通しについて5.625%を見込んでいると指摘した(従来予想は5.375%)。リッチモンド連銀のバーキン総裁は、米CNNのインタビューで高インフレに言及し、3月FOMCでの利上げについての根拠は極めて明確だったと指摘した。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は26日、CBSのインタビューで5月FOMCについての予想を立てるのは時期尚早と語った。
今週は、30日にリッチモンド連銀のバーキン総裁、31日にニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の講演が予定されている。金融システム不安、インフレそして利上げ政策について金融政策のキーマン達が言及すれば、米金利と株式市場の変動要因になり得る。これら市場の動きにより、米ドル相場と円相場のトレンドが左右されるだろう。
また、28日にベイリー英中銀(BoE)総裁が銀行破綻について議会証言を行う。31日には欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁の講演も予定されている。ポンド円(GBPJPY)やユーロ円(EURJPY)の変動要因として、欧州の要人達の発言内容にも注目しておきたい。
経済指標で注目したいのが、31日の2月米個人消費支出(PCE)デフレーターである。FRBが最も注視する物価指標でインフレ圧力の根強さがあらためて確認される場合は、米金利の反発要因となろう。そして米国株は下落または急落する可能性がある。このケースでは、外為市場で米ドル買いの圧力が高まりやすい。
逆に2月PCEデフレーターが市場参加者のインフレ懸念を後退させる内容となれば、米金利は低下基調を維持し米国株は上昇することが予想される。このケースでは、米ドル安優勢の展開を想定しておきたい。
PCEデフレーターの推移:前年比
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