FOMCを意識したレンジ相場
ホルムズ海峡でのタンカー襲撃事件を受け原油価格は上昇。しかし、この動きに米金利は追随出来ませんでした。明らかにFEDの利下げとFOMCを意識した動きと言えます。今後数日間の外為市場は株式をにらみながらレンジ相場になると予想します。詳細はマーケットレポートにて。
Analysis Highlights
・FOMCを意識したレンジ相場
米長期金利(以下米金利)は現状、2.18%前後でキャップ状態となっている。次回FOMC(6月18-19日)まで1週間を切った状況では、米金利が急反発する可能性は低い。そう考える理由は昨日の原油価格と米金利の動向にある。2017年の後半から米金利は上昇基調へ転じたが、そのけん引役となったのが原油価格の回復だった。その原油価格(NY原油先物7月限)は昨日、石油輸送の大動脈であるホルムズ海峡付近で発生したタンカー攻撃事件を受け、一時、前日比2.31ドル高の53.45ドルまで上昇した。しかし米金利はこの動きに追随することなく、2.082%まで低下する局面が見られた。また、この日は原油だけでなく米株も上昇した。しかし、これら市場の動きを無視し米金利が低下した事実を考えるならば、米債市場の参加者がFEDによる利下げを意識していることは明白。FEDインパクトによる米金利の低空飛行状態がFOMCまで続くと想定する場合、来週火曜日までの外為市場は株式動向にトレンドが左右されよう。外為市場のトレンドパターンについては13日のレポート「米金利が低下しても米ドル高となる背景」で指摘済み。
目先、米金利の反発要因として注視すべきは指標データである。本日は個人消費の動向を見極める上で重要となる5月小売売上高および6月ミシガン大学消費者態度指数(速報値)が発表される。両指数とも市場予想を上回る場合、米金利は調整の反発(債券ロングの一部解消)を予想する。だが、FOMCを控えているタイミングでは2.18%の水準を完全に突破する可能性は低い。よって、米ドル相場の上昇幅も限られよう。ドル円は108円台を中心とした売り買い交錯相場を予想する。一方、ユーロドルは1.1200-1.1350のレンジ相場を予想する。
【米長期金利とNY原油価格】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は、引き続き108円台を中心とした売り買い交錯相場を予想する。上述した米指標データが市場予想を上回る場合、「米株高+米金利の反発→米ドル買い」を背景に108.80レベルまでの上昇を想定。しかし、FOMC前に米金利が急反発する可能性が低いことを考えるならば、109.00トライの可能性は低いと考える。尚、後者のレベルには21日MA(109.02前後)が低下中。108.60、108.70および108.80にはそれぞれオファーが観測されている。一方、下値の焦点は108.20の維持となろう。このレベルを下方ブレイクする場合は、108.00および107.80での攻防を注視したい。株式が大きく崩れない限り107.80ブレイクの展開は想定していない。
今日のユーロドルは、米指標データ次第でトレンドが決定されよう。「良好な米指標データ→米金利の反発」局面では、リトレースメント38.20%の水準1.1258および50.00%の水準1.1230トライを想定する。1.1250から1.1220にかけては断続的にビッドが並んでいる。一方、逆の展開となる場合は1.1350を上限に戻りの水準を探る展開となろう。1.1345にはオファーの観測あり。
【ドル円】
【ユーロドル】
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