もう一段の米ドル高に必要な条件
23日の外為市場でユーロドルは1.12割れ、ドル円は112円台をつっかける動きが見られました。しかし、それ以上のドル買いは続かず、あえなく反発/反落。もう一段の米ドル高には何が必要でしょうか?詳細はマーケットレポートにて。
Analysis Highlights
・もう一段の米ドル高に必要な条件
23日の海外外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。この日発表された3月の米国新築住宅販売件数が市場予想以上となった一方、4月のユーロ圏消費者信頼感(速報値)が冴えない内容となったことで、ユーロドルは今月2回目となる1.12割れの展開となった。しかし、1.11台での米ドル買い需要は相変わらず弱く、すぐに1.12台へと反発。一方、ドル円は112円台へ反発する局面が見られたが、目先のレジスタンスポイント112.20レベルをトライすることなく反落した。これらの値動きは、もう一段、米ドル相場が上昇する条件が、米長期金利(以下米金利)の持続的な上昇にあることを示唆している。その米金利は、先週より2.55-2.61%で落ち着いた動きとなっている。2.60%台でキャップされているのは事実だが、23日のレポート「原油高と米長期金利の関係」で指摘した原油価格との連動性を考えるならば、2.55%レベルでサポートされていると考えることもできる。いずれにしても、5月のFOMCまでは原油価格の動向が米金利のトレンドを左右する可能性がある。その原油価格だが、WTI6月限は昨日、一時66.60ドルと期近物として約半年ぶりの高値を更新した。イラン制裁は確かに価格の押し上げ要因だが、一段高が発生したのは4月に入ってからである。中国の指標データ改善と原油価格一段高のタイミングが一致している点を考えるならば、上昇トレンドの持続性は中国の経済状況(指標データ)次第と想定する。原油価格の上昇もしくは高止まりが続けば、米金利のサポート要因となろう。だが、持続的な金利の上昇には良好な米指標データの確認が条件であることに変わりはない。
【NY原油と米長期金利】
・ドル円は突破的な下値トライに注意 ユーロドルは金利にらみの展開
本日のドル円も堅調地合いを想定している。だが、大型連休前の実需による突発的な円買いには注意したい。上値の焦点は上述した112.20レベルとなろう。この水準前後にはオファーが観測されている。一方、下値の焦点はリトレースメント38.20%の水準111.60台となろう。昨日の突発的な円買いもこのレベルで止められた。111.60レベルを下方ブレイクする場合は、同50.00%の水準111.50前後までの下落を警戒したい。111.60から111.50にかけてはビッドの観測あり。
ユーロドルは米独金利にらみの展開となろう。より注視すべきは独金利の方だろう。4月の独IFO企業景況感指数が市場予想(99.9)を上回る場合は、米独利回り格差の縮小を意識したユーロドルの反発を想定する。だが、この指標データのみでファンダメンタルズ面での懸念が払しょくされることはない。よって、1.1260台での反落を警戒したい。一方、冴えないIFO指数が独金利の低下圧力を高める場合、米独利回り格差の拡大を背景に1.12割れを意識すべきだろう。このケースでの焦点は、1.1181(4/2安値)および1.1174(3/7安値)となろう。1.1180には厚いビッド、1.1170にはビッドがそれぞれ観測されている。
【ドル円】
【ユーロドル】
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