米ドル相場は株式にらみ / ドル円とユーロドルの焦点
サマリー:「米金利の上昇が抑制されている。この状況で株高となれば米ドル安の圧力が高まりやすい。逆に株安の局面では米ドル買い優勢を予想する。ドル円とユーロドルの焦点は?」。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米ドル相場は株式にらみ
週明けの外為市場は、米ドル安優勢の展開となった。昨日のレポートで指摘したとおり、米債市場では長期金利(以下では米金利)の上昇圧力が抑制されている。
米金利のこう着状態と次のカタリストがパウエル講演であることも考えると、ジャクソンホール会議前までの米ドル相場は、株式にらみの展開を想定しておきたい。
米金利の上昇が抑制される中、昨日のように米株が上昇する場合、外為市場では米ドル安優勢の展開を意識したい。
逆に、米金利の上昇が抑制されても米株が崩れる場合は、米ドル買い優勢の展開を意識したい。
しかし、後者のケースでは株安を受け米金利の低下幅が拡大する展開が予想される。このため、米ドル買いの圧力よりも円買いの圧力の方が高まる展開を予想する。
米長期金利のチャート
株高のみではドル円の上値は限定的
昨日のドル円(USDJPY)は、アジア時間と欧州時間で上昇、NY時間で反落という展開だった。
上で述べたとおり、今は米株高の局面で金利が低下する場合、米ドルの売り圧力が高まりやすい環境にある。昨日は米ドル安に圧され、ドル円は高値110.14から109.60台まで反落した。株高の局面で円安以上に米ドル安の圧力が高まるという展開は予想外だったが、今のドル円に110円乗せの力がないことが、昨日の反落で再確認できた。
今月の18日、19日そして昨日の日足ローソク足で長い上ヒゲが示現した。ポイントは、いずれも110円前半で上値が抑制されたことにある。特に昨日は、日足の一目雲で上値が抑制されたというテクニカル的な要因もある。
ドル円は米金利との相関性が高い通貨ペアである。この特徴を考えるならば、株高のみのリスク選好相場では、ドル円の上値が限られる展開を想定しておきたい。
今日の上値の焦点は、110.10-20のレジスタンスゾーンのトライとなろう。昨日、ドル円の上昇を止めた一目雲の上限は今日現在、110.11レベルにある。一方、110.20前後は今月19日と昨日の高値レベルである。
一方、下値の焦点は89日EMA(今日現在109.52レベル)で変わらず。米金利の上昇が抑制されても米株が崩れなければ、89日線前後でサポートされる展開を予想する。
逆に米株が反落する場合は、89日線の下方ブレイクおよび100日EMA(今日現在109.39レベル)のトライを想定しておきたい。
ドル円のチャート
ユーロドル 3つのレジスタンスポイント
ユーロドル(EURUSD)は、1.17台の回復に成功した。
米金利の上昇が抑制される中、株式市場で根強い押し目買いが入る状況やMACDで反転のシグナルが点灯しつつあることを考えるならば、ユーロドルは短期的に反発基調を維持する可能性がある。
しかし、ユーロドルが上昇トレンドへ回帰すると判断するためには、少なくとも3つのレジスタンスポイントを突破する必要がある。
まずは、今月に入りレジスタンスラインとして意識された21日EMA(今日現在1.1763レベル)である。
次は、1.2254(6/1高値)を起点とした短期レジスタンスラインである。
そして最後が、7月30日に相場の戻りを止めた50日EMA(今日現在1.1833レベル)である。
パウエルFRBは金融政策の正常化に向けて動き出している。一方、ラガルドECBは緩和スタンスを維持している。金融政策に対するスタンスの違いはユーロドルの下落要因である。よって、ユーロドルが反発しても、上で述べたレジスタンスポイントのいずれかで反落する展開を警戒しておきたい。
米株が下落する局面やジャクソンホール会議でのパウエル講演で米金利に上昇圧力が高まる場合は、1.16台の攻防を想定しておきたい。目先の下値の焦点は、今月20日の安値1.1662レベルの維持である。
ユーロドルのチャート
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