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今週の注目材料は政策キーマン達の発言 / ドル円とユーロドルのチャートポイント

今週の外為市場は、政策キーマン達の発言でトレンドが左右される可能性がある。ドル円は新たなレジスタンスポイントを探る展開が続くことが予想される。一方、ユーロドルは1.08レベルの攻防が焦点に。上下のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

今週の注目材料は政策キーマン達の発言


【サマリー】
・政策キーマン達の発言と外為市場の反応に注目

・ドル円は新たなレジスタンスポイントを探る展開が続く
・ユーロドルは1.08レベルの攻防が焦点に


政策キーマン達の発言と外為市場の反応が焦点に

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議
今週の外為市場のトレンドは、政策キーマン達の発言に影響を受ける可能性がある。
20日に米ワシントンで20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催される。日本国内では、円安の急速な進行に対する懸念が高まっている。国際会合の場で為替レート(円相場)の急激な変動に対する懸念が指摘される場合、ドル円(USDJPY)は反落する展開を想定しておきたい。
しかし、投機筋は円売りを仕掛けるスタンスを継続している。また、資源高で国内の経常収支の悪化が常態化することが意識されている状況も考えるならば、投機と実需の両面でドル円は上値トライの展開が続くと予想する。

パウエルFRB議長とラガルド総裁の発言
21日には、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長と欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が、国際通貨基金(IMF)主催のパネルディスカッションに参加する。景気やインフレの見通し、そして金融引き締め政策について言及がある場合、米ドル相場とユーロ相場のトレンドに影響を与える可能性がある。
特に注目されるのが、ユーロドル(EURUSD)の反応である。「タカ派のパウエル / ハト派のラガルド」という構図が意識される場合、1.08レベルがサポートからレジスタンスのポイントへ転換する可能性がある。これが確認される場合は、ユーロドルの下落幅が拡大するシグナルと想定しておきたい。

FRBキーマン達の発言
また、今週はFRBキーマン達の講演も多く予定されている。
18日には、タカ派の代表格であるブラード・セントルイス連銀総裁によるアメリカ経済と金融政策についての講演が予定されている。19日には、エバンス・シカゴ連銀総裁が現在の経済状況と金融政策について講演する。そして20日には、デーリー・サンフランシスコ連銀総裁の講演も予定されている。
5月の連邦公開市場委員会(FOMC)が近づく中、政策キーマン達が高インフレに対処するため、積極的な金融引き締め政策を支持する場合、ドル円の高値更新とユーロドルの下落幅拡大を想定しておきたい。


ドル円の焦点とチャートポイント

・新たなレジスタンスポイントを探る展開が続く

今週のドル円(USDJPY)は、米金利の動きをにらんだ展開が続こう。米金利は、国際商品市況と上で述べたFRBキーマン達の言動にトレンドが左右される可能性があろう。
先週は、インフレがピークを付けたとの思惑で米金利が低下する局面が見られた。しかし、国際商品市況では、アメリカのインフレ動向に大きな影響を与える原油先物価格が再び上昇基調へ転じている。また、NY天然ガス価格(NGS)は、2008年10月以来の水準まで急騰している(直近の高値:7.432ドル)。対ロシア制裁の長期化とアジア需要の高まりで、今年の夏になっても天然ガス価格の高止まりを指摘する向きもある。
今週もこれらエネルギー価格が上昇する場合、インフレの高止まりと米FRBの金融引き締めペースの加速が米債市場で意識され、利回りには上昇圧力が高まることが予想される。上で述べたFRBキーマン達の言動が総じてタカ派ならば、こちらも米金利の上昇要因となろう。また、投機筋は円安を仕掛ける動きが続いている(CFTCのデータによれば円ショートは11万枚の水準を突破)。現在の状況を総合的に考えるならば、G20会合を受けてドル円が反落しても、すぐに反転し新たなレジスタンスポイントを探る展開が続くと予想する。

・上下のチャートポイント

ドル円(USDJPY)は、本日早朝に先週の高値126.69レベルをあっさりと突破した。現在は126.70台での攻防となっている。この状況を考えるならば、目先は127円台への上昇が焦点となろう。
過去の推移を確認すると、1997年の4月と5月に127.18および127.51の各水準で上値が止められた経緯がある。ドル円が127円台へ上昇する場合は、これら水準での攻防に注目したい。
なお、当時は上で述べた2つのレジスタンスポイントで一度上値が止められると一気に110.60台まで急反落し、その後147.67レベルまで急騰するという荒れた展開となった。

一方、ドル円が反落する場合は、このレポートで何度か指摘してきた10日線(EMA)の維持が焦点となろう。この移動平均線は3月8日以降、相場をサポートし続けている。また今日現在、125.10台まで上昇している。

ドル円のチャート:上値のポイント

ドル円のチャート:上値のポイント

ドル円のチャート:下値のポイント

ドル円のチャート:下値のポイント

ユーロドルの焦点とチャートポイント

・焦点は1.08の攻防

今週のユーロドル(EURUSD)は、1.08レベルを完全に下方ブレイクすると同時に、この水準がサポートからレジスタンスのポイントへ転換するかどうか?この点が焦点となろう。ロシアーウクライナ紛争の長期化と米欧の金融政策スタンスの違いを考えるならば、この展開となる可能性を意識する局面にある。
ユーロドルが完全に1.08以下の攻防へシフトする場合は、市場参加者に地合いの弱さを印象付けよう。

目先の下値ポイントは、先週14日の安値レベルであり、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準でもある1.0757レベルの攻防となろう。この水準をも一気に下方ブレイクする場合は、1.07、1.06そしてフィボナッチ・プロジェクション100%の水準1.0493(1.05レベル)といった各水準での攻防が焦点として浮上しよう。

・上値のポイントは10日線と1.0950レベルのトライ

一方、ユーロドル(EURUSD)が1.08前後を維持して反発する場合は、10日線(SMA)の突破が焦点となろう。この移動平均線を突破する場合は、サポートからレジスタンスのポイントへ転換している1.0950レベルまでの反発を想定しておきたい。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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