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日銀イベントと円相場のシナリオ

今日の円相場は、日銀イベントの結果で上下に大きく振れる展開が予想される。ドル円とユーロ円の展望は?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

日銀イベントと円相場のシナリオ


【サマリー】
・日銀イベントと円相場のシナリオ
・日銀イベントで円安となってもドル円は戻り売りを警戒したい
・日銀イベントで円高が加速する場合、ドル円は3~5円下落する可能性あり
・ユーロ円の展望とチャートポイントについて


日銀イベントを受けた円相場のシナリオ

現状維持と円相場のシナリオ
外為市場の参加者の耳目は、日銀イベントに集まっている。

エコノミストは政策維持を予想しているが、追加の政策修正の可能性を排除できない状況にある。様々な思惑が交錯する中、黒田日銀が追加の政策修正を見送る場合、外為市場では思惑先行で進行した円高の巻き戻しが、対米ドル(USDJPY)を中心に発生することが予想される。

しかし、日銀イベントで円売りの圧力が高まっても、ドル円の反発は短期で終息する可能性がある。

短期金融市場では連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ打ち止めと、その先の利下げを織り込む動きが続いている。一方、米債市場では昨日、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りが再び4.2%の水準を割り込み、低下基調を維持している(下のチャートを参照)。

また、1月ニューヨーク連銀製造業景気は-32.9と、予想の-8.7を大きく下回った。今後は景気のリスクが10年債利回り(長期金利)の下押し圧力となる可能性がある。米金利の低下基調は、米ドル相場の重石となる。ゆえに日銀イベントでドル円が反発しても、米ドル安による戻り売りを警戒しておきたい。

米金利の動向

米金利の動向 チャート:Bloomberg / 日足(22年9月~)


追加の政策修正と円相場のシナリオ
一方、黒田日銀が今回の会合で政策の修正、イールドカーブ・コントロール(YCC)の許容変動幅の変更や撤廃、マイナス金利の解除に動く場合は、円高の加速を予想する。

昨年12月20日の金融政策決定会合で黒田日銀は、市場の意表を突くかたちでYCCの許容変動幅の修正を決断した。この日ドル円は、前日比で5円以上下落する展開となった。そして日銀関連の報道が流れた1月12日の相場では、同比で3円以上下落した。

これら過去の推移を参考にするならば、日銀が追加の政策修正に動く場合、ドル円は3~5円の下落を想定しておきたい。

また、ドル円が下げ止まった水準が、目先のサポートポイントとなる可能性がある。ゆえに下げ止まった水準でのローソク足のかたち、特に下ヒゲが示現しての反発かどうか?この点にも注目しておきたい。

ドル円の動向

ドル円の動向 チャート:Bloomberg / 日足(22年12月中旬~)

ドル円の展望とチャートポイント
日銀イベントの内容を受けてドル円(USDJPY)が上昇する場合は、レジスタンスのムードが出始めている129.50レベルの突破が目先の焦点となろう。

ドル円が129.50の水準を難なくブレイクする場合、次の焦点は130.00のトライおよびブレイクとなろう。この水準の攻防は、“レジスタンスへの転換”を見極める攻防でもある。

ドル円が130円台の攻防へシフトする場合は、昨年の最高値151.94レベル(22年10月21日)を基点とした短期レジスタンスラインをトライする展開を予想する。このラインでドル円の反発が止められる場合は、地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。

一方、日銀イベントの内容を受けて円高が加速する場合は、このレポートで何度か取り上げた126円の攻防が焦点となろう。だが、上で述べたとおり過去の経緯を考えるならば、日銀イベントで円高となる場合は3円以上下落する可能性がある。ゆえに126円のブレイクおよびフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準122.56を視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート チャート:TradingView/ 日足(2022年~)

ユーロ円の展望とチャートポイント

利上げペースの減速とユーロドルの動向
昨日の外為市場では、ユーロが対米ドルと円で下落した。

この日、欧州中央銀行(ECB)は2月の理事会で50ベーシスポイントの利上げを行うも、3月の理事会では利上げ幅を25ベーシスポイントに縮小することを検討しているとのヘッドラインが流れた。

ユーロドル(EURUSD)は1.09手前で連日上値の重い展開となっている。しかも、連日上ヒゲが示現している状況も考えるならば、ユーロドルの上昇トレンドがひとまず終息するムードが漂い始めている。

ユーロ円の展望
ユーロ相場で注目の通貨ペアは、日銀イベントを控えているユーロ円(EURJPY)である。

昨年12月中旬を境にして、予想変動率(1ヶ月)は上昇基調にあり、直近は15%台へ上昇する局面が見られる。リスクリバーサル(25デルタ/1ヶ月)では、ユーロプットの勢いが後退気味だが、短期サポートラインの維持が焦点に浮上している状況と、上で述べたユーロドルの上昇トレンドが一服する可能性も考えるならば、ユーロ円は下落リスクを警戒する局面にある。

今の状況で日銀イベントが “円高イベント” となる場合、ユーロ円は昨年高安の半値戻し136.40レベルを下方ブレイクする可能性がある。この状況が確認される場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準133.56レベルを視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。

なお、すぐ下の133.40レベルは、昨年8月2日に相場をサポートした経緯がある。この時の日足ローソク足では長い下ヒゲが示現した。133.40-55 レベルをサポートゾーンと想定しておきたい。

ユーロ円のチャート

ユーロ円のチャート チャート:Bloomberg / 日足(2022年~)

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