ポンド安、半月で3%超進行 一時190円台 15日のCPIの見通しは?
ポンド円相場では年明け以降、一時3%超のポンド安が進行。イギリス経済の弱さが背景にあり、15日の発表の英国CPIでもポンド安が進む可能性がある。
ポンド円相場でポンド安が進行している。13日の取引では一時、1ポンド=190円台をつける場面もあり、2024年12月上旬以来、約1か月半ぶりのポンド安水準をつけた。年明け以降の半月足らずで3%超のポンド安となっている。ドナルド・トランプ次期政権の発足でアメリカ経済が勢いづくとみられる中、イギリスの経済状況をめぐる懸念がポンド売りにつながっているようだ。こうした中で15日に発表される英国の2024年12月の消費者物価指数(CPI)は物価上昇の減速がみられる見通し。ただ同じ15日に発表される米国のCPIや、20日のトランプ氏の大統領就任というイベントは、英国経済の弱さを際立たせる可能性もあり、ポンドへの下押し圧力が継続する可能性もありそうだ。
ポンド円相場は一時、190円台 12月上旬以来のポンド安
ポンド円相場(GBP/JPY)は14日の東京市場では1ポンド=192円台で推移している。ブルームバーグによると、日本が休日だった13日の取引では190.08円をつける場面もあり、2024年12月4日(189.36円)以来のポンド安水準だった。12月末の終値(196.76円)との比較では、3.40%のポンド安進行となる。
ポンドはユーロや円、豪ドルとの比較でも大きく売られる
ポンド円相場でのポンド安の要因は、ポンドが対ドルで売られたことだ。ポンドの対ドル相場(GBP/USD)の13日のニューヨーク市場の終値は12月末比で2.51%安。ユーロの1.05%安や、円や豪ドルの0.18%安と比べて大きく売り込まれている。米国で20日に大統領に就任するトランプ氏の経済政策が物価上昇圧力を強めるとの見方がドル高要因となる中、ポンドがとりわけ大きく売られている形だ。
年明け以降にポンド安の流れが強まった背景には、英国経済の成長の弱さが材料視された事情があるようだ。英国統計局が12月23日に発表した2024年7-9月期の実質成長率の改定値は前期比0%で、速報値の0.1%から下方修正された。市場予想(0.1%)も下回る結果で、英国経済の見通しの悪さを示した。また7月に発足したキア・スターマー政権は財政政策が拡張的になるとみられており、ポンド安の要因とみなされている。
英国の12月CPIはコア指数の伸び率が減速する見通し 2%の目標までは距離
同時に英国経済は物価上昇の根強さという問題も抱える。ブルームバーグによると、英国統計局が1月15日午前7時(日本時間15日午後4時)に発表する12月CPIの伸び率は、総合指数で前年同月比2.6%、食品とエネルギー、酒類、タバコを除いたコア指数で3.4%となる見通し。総合指数は11月から横ばい、コア指数は11月の3.5%から低下するとの見立てだが、イングランド銀行(BOE)が目標とする2%まで距離があることは否めない。
BOEは2月に利下げの見通し アメリカのトランプ政権発足がポンド相場に影響も
とはいえ、BOEは経済成長の弱さも考慮すれば政策金利の引き下げも視野に入れざるをえず、金融市場ではBOEが2月の理事会で利下げに踏み切るとの見方が強い。ブルームバーグによると、2月6日に結果が発表される理事会での利下げについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間14日午後5時の段階で72%となっている。
ポンド相場の今後の見通しをめぐっては、英国の12月CPI発表と同じ15日に、米国でも12月CPIが発表される。さらに16日にはイギリスの11月の月次GDP、20日には米国でのトランプ政権発足が続く。経済の弱さと物価上昇の根強さに直面する英国経済の厳しい状況は、節目ごとにポンド安を意識させる可能性をはらんでいそうだ。
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