ポンド安進行か 英中銀6日に利下げ見通し トランプ氏の影も
イギリス中銀が6日に発表する理事会の結果は、利下げが確実視されている。声明などで英国経済への弱気が感じられれば、ポンド安圧力がかかりそうだ。
ポンド円相場で下落圧力が強まる可能性がある。イングランド銀行(BOE)は6日に結果が公表される理事会で2会合ぶりの利下げを決める見通し。理事会後の声明文などでイギリス経済に弱気な見方が示されるなどすれば、FX市場でポンドが売られやすくなるとみられる。 また、ドル円相場ではアメリカ経済をめぐる不透明感が円高につながりやすくなっており、やはりポンド円相場にとってのポンド安要因。このためポンド円相場の見通しに関しては、ドナルド・トランプ大統領の動向も注目点となりそうだ。
BOEは6日に利下げを発表する見通し 物価上昇下振れを好感か
英国の中央銀行にあたるBOEは6日正午(日本時間6日午後9時)に理事会の結果を公表する。ブルームバーグによると、投資家の動向から算出される0.25%幅での利下げ確率は日本時間4日午後5時段階で、98%となっており、利下げが確実視されている状況だ。BOEは2024年12月19日に結果を公表した前回理事会では、利下げ見送りを決めつつも、9人中3人が0.25%利下げを主張しており、今回は利下げへの支持がさらに増えるとみられている。
BOEの利下げ見通しが強まっている背景には、物価上昇率の下振れがある。英国統計局が1月15日に発表した2024年12月の消費者物価指数(CPI)の伸び率は前年同月比2.5%で、ブルームバーグがまとめた市場予想の2.6%を下回る結果。また食品とエネルギー、酒類、タバコを除いたコア指数の伸び率は3.2%となり、やはり市場予想(3.4%)を下回った。BOEは「インフレの根強さのリスクを慎重に見極める」との立場を示してきたが、12月CPIはBOEの物価上昇への警戒を和らげる結果だったといえそうだ。BOEが懸念していた英国経済の下振れがみられたことも、利下げ見通しの裏付けとなっている。
BOEが英国経済に弱気な見通しを示せばポンド安進行も
こうした中、ポンド円相場(GBP/JPY)は4日の東京市場の取引では1ポンド=192円台後半で取引された。ブルームバーグによると、ポンド円相場は1月24日のニューヨーク市場での終値では194.72円をつけていたが、その後はポンド安傾向だ。
こうしたポンド安の今後の見通しは、BOEの理事会後の情報発信で左右されそうだ。BOEが事前予想通りに利下げを決めたうえで、英国経済の見通しについて弱気な見方を示せば、BOEの追加利下げ見通しが強まる可能性がある。この場合、ポンド円相場では、ポンド安圧力が強まることも考えられる。ブルームバーグのデータでは、金融市場ではBOEの年内利下げ回数は2月を含めて3回になるとの見方が優勢だ。
トランプ氏の動向がポンド円相場に影響も
また、ポンド円相場の値動きをめぐっては、このところのFX市場で円が安全資産として買われやすくなっていることも、ポンド安の見通しを強めている。ブルームバーグによると、中国の人工知能(AI)開発企業の「DeepSeek(ディープシーク)」のAIが米国企業の優位性を脅かすとの見方が金融市場でのリスク回避姿勢を強めた1月27日には、ドル円相場(USD/JPY)で前週末比0.96%の円高が進行。これに対してポンドの対ドル相場(GBP/USD)でのポンド高は0.12%に留まり、結果としてポンド円相場は0.86%のポンド安となった。ポンド円相場が直近のポンド安水準(1ポンド=189.95円)をつけた2月3日も、ドナルド・トランプ大統領の高関税政策をめぐる混乱が円高要因となっていた。
このため、今後のFX市場では、米国経済の見通しの悪さが強まれば円高方向、弱まれば円安方向への値動きが起こることが想定される。この場合はポンド円相場にもポンド安圧力やポンド高圧力として作用することも考えられ、世界の金融市場を揺るがすトランプ氏の動向はポンド円相場にとっても不確定要素といえそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。