ポンド高の流れ強まるか 19日イギリスCPI 物価上昇加速見通し
19日に発表される1月のイギリスのCPIは物価上昇が加速する見通し。ポンド高材料となりえるが、ドル円相場での円高で相殺される可能性もある。
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ポンド円相場でポンド高の流れが強まる可能性が出ている。イギリス統計局が19日に発表する1月の消費者物価指数(CPI)の伸び率が前月から大きく伸びる見通しとなっているからだ。また、英国の中央銀行にあたるイングランド銀行(BOE)は6日に2会合ぶりの利下げを発表しつつも物価上昇への警戒感を強調。金利の先高観が意識されやすい状況にある。ポンド円相場は7日に1ポンド=187円台前半をつけた後、ポンド高に転じており、1月CPIを機にポンド高がさらに進むことも考えられそうだ。ただ、足元のFX市場ではドル円相場でも円高が進行中。結果としてポンドの円に対する上昇が限定的になることも想定される。
イギリスの1月CPIは物価上昇率が大きく加速する見通し
英国統計局は19日午前7時(日本時間19日午後4時)に1月CPIを発表する。ブルームバーグがまとめた事前予想では、総合指数の伸び率は前年同月比2.8%となり、前月(2024年12月)の2.5%から物価上昇が加速する見通しだ。また、食品、エネルギー、酒類、タバコを除いたコア指数の伸び率は3.7%となり、やはり前月(3.2%)よりも高くなるとみられている。
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BOEは2会合ぶりに利下げ 物価上昇の動向を警戒
物価上昇率の高まりに対してはBOEも警戒を強めている。BOEは6日に政策金利を0.25%ポイント引き下げて4.5%にすると発表。同時に示した経済見通しでは、総合指数の物価上昇率は2025年7-9月期には3.7%まで高まるとした。
BOEが物価上昇加速を見込む背景には、世界的なエネルギーコストの上昇のほか、英国でのバス料金の上限引き上げや私立学校の学費への消費税課税などがある。BOEは声明文で物価上昇率について3.7%まで高まった後は「2%の目標に向かう」としつつも、物価上昇圧力がより長く継続する兆候に注意を払うと神経を尖らせた。「金融政策の引き締め度合いをさらに緩めるには段階的で注意深い方法が適切だ」ともしている。
ポンド円相場は187円台から191円台に 1月CPIでポンド高加速も
こうした中で1月CPIが物価上昇の大きな加速を示せば、金利の先高観を強めるポンド高材料として意識されそうだ。ブルームバーグによると、ポンド円相場(GBP/JPY)はBOEの利下げ発表翌日の7日の取引で一時、1ポンド=187.06円をつけた後はポンド高に振れ、18日の東京市場では191円台後半で推移している。1月CPIはこうしたポンド高の流れをさらに強める可能性がある。
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また、ポンドをめぐっては、物価見通し以外でもポンド高材料が出た。13日に発表された英国の2024年10-12月期の実質GDPの伸び率は前期比0.1%増。ブルームバーグがまとめた市場予想の0.1%減を上回る結果だった。13日のFX市場では、アメリカで発表された1月の卸売物価指数(PPI)が物価上昇見通しを強めなかったこともあり、ポンドの対ドルレート(GBP/USD)が前日比0.96%高となった。
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BOEは年内2回の利下げが有力視 ドル円相場での円高がポンド高を相殺も
ただ、金融市場では依然として、BOEは年内にあと2回以上の利下げを行うとみられている。ブルームバーグのデータによると、日本時間18日午後5時現在、金融市場では5月と9月の利下げが有力視されている状況。BOEの利下げ発表前でも2月を含めて年内3回の利下げが見込まれていただけに、大きな変化は出ていないようだ。英国のGDPの成長率は市場予想を超えたとはいえ、小幅な上昇にとどまっており、経済の見通しが明るくなったとまではいえないことも利下げ観測の根強さの背景になっている。
ポンド円相場の今後の見通しには、ドル円相場(USD/JPY)の行方も影響する。ブルームバーグによると日本の長期金利(10年物国債利回り)は18日に一時、1.433%をつけ、2009年11月12日(1.440%)以来、15年3か月ぶりの高さとなった。日銀の追加利上げ見通しが強まっていることが背景にあり、ドル円相場は1ドル=151.24円をつける場面もあった。このため英国の1月CPIがポンド高要因になったとしても、ポンド円相場での値動きが抑えられる可能性もありそうだ。
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