ポンド高加速も 18日にイギリスCPI BOEは現状維持見通し
ポンド円相場は11月下旬以来のポンド高水準に到達。英国の11月CPIは物価上昇加速が見込まれ、BOEの利下げ見送りにつながりそうだ。
ポンド円相場でポンド高が進んでいる。17日の東京市場では一時、1ポンド=195円台後半を付け、約1か月ぶりのポンド高水準となった。16日に発表された景況感指数が堅調だったことがポンド買いの材料となっている。こうした中、イギリス統計局が18日に発表する11月消費者物価指数(CPI)は物価上昇が加速する見通し。また、イングランド銀行(BOE)は19日に利下げ見送りを発表するとみられ、ポンド高の加速も考えられる。一方、ポンド高の要因には、日本銀行の利上げ観測の後退による円安もあるだけに、18、19日の金融政策決定会合もポンド円相場の今後の見通しを左右しそうだ。
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ポンド円相場は一時、195.50円 約1か月ぶりのポンド高水準
ブルームバーグによると、ポンド円相場(GBP/JPY)の16日のニューヨーク市場の終値は195.50円で、前日比1.64円のポンド高だった。日本時間17日午前の取引では一時、1ポンド=195.90円をつけ、11月21日(196.73円)以来のポンド高水準となっている。
景況感の堅調さがポンド高の要因に 11月CPIは物価上昇加速見通し
ポンド高を引き起こしたのは英国の経済状況への不安の緩和だ。S&Pグローバルが16日に公表した12月の景況感指数は50.5で、前月と同じ数字。ブルームバーグがまとめた市場予想の50.6とほぼ同じとみなされ、堅調な数字と受け止められた。英国経済をめぐっては13日に発表された10月の月次GDPの前月比での実質成長率が2か月連続でマイナスとなり、ポンドが売られる要因となっていたが、今回の景況感指数で英国経済の見通しへの懸念が後退する形となった。
こうした中、ポンド円相場では、イギリス統計局が18日午前7時(日本時間18日午後4時)に発表する11月CPIへの注目が高まっている。ブルームバーグがまとめた市場予想では、総合指数の伸び率は前年同月比2.6%、食品とエネルギー、酒類、タバコを除いたコア指数の伸び率は3.6%になる見通しだ。それぞれ10月の2.3%と3.3%から、物価上昇が加速する形となる。総合指数の上昇率は9月に1.7%まで低下していたが、BOEは11月に公表した経済見通しの中で「年末までに2.5%程度まで上昇する」との分析を示していた。
イギリス中銀は政策金利を維持か ドル円相場の円安がポンド高を加速させる筋書きも
景況感の堅調さや物価上昇の加速予想が意識される中、金融市場では、BOEが19日正午(日本時間19日午後9時)に発表する政策金利は現状維持になるととみられている。ブルームバーグによると、投資家の動向から算出される利下げ確率は日本時間17日午後1時30分段階で7.2%でしかない。利下げが見送られれば、ポンド高要因とみなされる可能性もある。BOEは8月1日に4年4か月ぶりの利下げを決め、11月7日に2度目の利下げに踏み切ったが、英国の物価上昇率はユーロ圏と比べて高く、12日に3会合連続の利下げを決めた欧州中央銀行(ECB)とは状況が異なるともいえそうだ。
一方、ポンド円相場の今後の見通しはドル円相場(USD/JPY)の動きにも影響されそうだ。ドル円相場では、日銀の12月利上げ観測の後退を背景に円安が進んできたが、日銀が予想を裏切る形での利上げに踏み切るなどして流れが反転すれば、ポンド円相場ではポンド安圧力として働くことになる。逆に日銀が19日に利上げ見送りを決めた場合には円安がさらに加速することも考えられ、ポンド円相場でのポンド高をさらに推し進める要因になることも考えられる。
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