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ポンド高急進、195円台 円安効果で2か月半ぶり 2月CPIで加速も

ポンド円相場は一時195円台に到達。アメリカのトランプ大統領の相互関税での軟化が円安を招いた結果だ。26日発表の英国2月CPIも注目される。

ポンド高急進、195円台 円安効果で2か月半ぶり 2月CPIで加速も 出所:ブルームバーグ

ポンド円相場でポンド高が加速した。日本時間25日午前の取引では一時、1ポンド=195円台をつけ、2か月半ぶりのポンド高水準となった。アメリカのドナルド・トランプ大統領の高関税政策が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が後退し、円が売られたことが影響した。また24日に発表された経済指標でイギリス経済の見通しへの不安が和らいだことも影響している。ポンド円相場の今後の見通しをめぐっては、26日に発表される英国の2月消費者物価指数(CPI)の伸び率が予想から上沸ぶれるなどした場合に、さらにポンド高が進む可能性もありそうだ。

ポンド円相場は一時、195.01円 2か月半ぶりのポンド高水準

ポンド円相場(GBP/JPY)は日本時間25日午前9時30分ごろに一時、1ポンド=195.01円をつけた。ブルームバーグによると、1月9日につけた195.82円以来、約2か月半ぶりのポンド高水準となる。24日のニューヨーク市場の終値は194.75円で、前日比1.87円のポンド高だったが、さらにポンド高が進んだ形だ。

ポンド円相場の日足チャートと主な出来事のグラフ

ドル円相場での円安が影響 トランプ氏の相互関税での軟化を材料視

24日のポンド円相場の値動きは、ドル円相場での円安進行の影響が大きかった。ブルームバーグによると、ドル円相場(USD/JPY)の24日のニューヨーク市場での終値は1ドル=150.70円。前日終値から1.38円の円安水準だった。一方、ポンドの対ドル相場は0.03%のポンド高となっており、結果としてポンド円相場(GBP/USD)でのポンド高につながった。

ポンド、円、ユーロ、豪ドルの対ドルレートの推移のグラフ

ドル円を円安に動かしたのはトランプ氏の動向だ。トランプ氏は24日、4月2日に発動するとしている相互関税について、「多くの国に猶予を与えるかもしれない」と言及。相互関税の経済への悪影響が金融市場で心配されてきたほどの大きさにはならないとの見通しが強まり、米国経済への安心感につながった。ドル円相場ではトランプ氏が高関税政策を打ち出す中で、日本銀行が利上げを見据えている円が買われる傾向があったが、流れが反転した形だ。

イギリス経済の見通しが改善 26日発表の2月CPIに注目

また24日のFX市場にはポンドが買われる要因もあった。S&Pグローバルが24日に発表した英国の3月の景況感指数(PMI、速報値)は、サービス業と製造業を合わせた総合PMIで52.0となり、6か月ぶりの高さ。ブルームバーグがまとめた市場予想の50.5を上回った。サービス業の景況感が大きく改善したことが影響している。

こうした中、ポンド円相場の今後の見通しをめぐっては、26日午前7時(日本時間26日午後4時)に発表される2月CPIの結果が注目される。ブルームバーグがまとめた市場予想では、総合指数の伸び率は前年同月比3.0%となり、前月(1月)から横ばいになる見通し。また食品、エネルギー、酒類、タバコを除いたコア指数は3.6%となり、前月(3.7%)から物価上昇率が下がると見込まれている。実際の結果が予想よりも上振れた場合には、イングランド銀行(BOE)が利下げを進めにくくなるとの見方がポンド高要因として働きそうだ。

イギリスの消費者物価指数の伸び率の推移のグラフ

ただ、英国経済の現状をめぐっては不安なデータもある。英国統計局が14日に発表した1月GDPは実質成長率が前月比0.1%減となり、3か月ぶりのマイナス成長に転落。14日のFX市場ではポンドがドルに対して0.13%安となっていた。こうした中で2月CPIの物価上昇率が予想から下振れれば、BOEの利下げ見通しが強まり、ポンド安の材料とみなされる可能性もある。

イギリスの月次GDPの伸び率の推移のグラフ

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