金価格、史上最高値まであと14ドル ドル安進行が後押し 米経済不透明感
金価格上昇の背景には2022年秋から進むドル安がある。米国経済は物価上昇と景気後退リスクに直面しており、投資家の不安は強い。
金先物価格が史上最高値まであとわずかになっている。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の13日の終値は1トロイオンス=2055.3ドルで、史上最高値との差は14ドルだ。背景にあるのは米国経済の先行き不透明感がもたらすドル安。ドルの他通貨に対する強さを示すドルインデックス指数は2022年秋以降で1割程度下落しており、金の割安感を演出している。米国経済は物価上昇と景気後退リスクの両方に直面しており、しばらくは投資家の不安は消えそうにない。
金価格の2000ドル超えは8営業日連続
金融情報会社リフィニティブのデータによると、金先物価格が2000ドルを超えるのは8営業日連続。5日に2035.6ドルをつけた後、いったんは2003.8ドルまで下落したが、再び勢いを取り戻している。金価格の史上最高値は2020年8月6日につけた2069.4ドルで、13日の終値は残り14.1ドルという水準だ。金のスポット価格(チャート)も同様の値動きとなっている。
金価格の上昇を支えているのは足元で進行しているドル安だ。金はドル建てで取引されるため、ドルが安くなれば、ドル以外の通貨を保有している投資家にとっては金の割安感が強まり、金が買われやすくなるとされている。
ドルインデックス指数(チャート)は金価格が1600ドル台だった2022年11月上旬に113程度をつけたが、現在は1割ほど安い101程度。2023年3月以降ではシリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻で米国の金融システムへの不安が広がったことからドルが売られたほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が物価上昇を抑えるために続けてきた利上げが経済減速という形で表れてくるとの見方がドル安を後押ししている。
ドル円相場も円高ドル安に進む
ドル円相場(チャート)も2022年11月上旬は1ドル=147円程度だったが、現在は132円程度。直近では日本銀行が10日に開いた植田和男総裁の就任会見後、日銀による金融緩和の早期修正観測が後退して円安ドル高が進んだものの、その後は円高ドル安方向の値動きになっている。
米国経済は物価上昇が根強い中で銀行融資の減少といった経済活動にブレーキがかかる兆しが出ている。5月2、3日の連邦公開市場委員会(FOMC)では物価を抑えるための利上げと、経済活動を下支えするための利上げ打ち止めの間で難しい選択を迫られる形となっており、当面は米国経済の先行き不透明感が続きそうだ。
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