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米PCE物価指数、2月は横ばい予想 2か月連続のサプライズはあるか?

米国で31日に発表される2月のPCE物価指数は横ばいの見通し。先月同様のサプライズなら利上げが意識されて株価下落要因となる。

出所:ブルームバーグ

米国の2月の個人消費支出(PCE)物価指数が31日に発表される。食品とエネルギーを除いたコア指数の前年同月比伸び率は1月から横ばいになるとみられており、引き続き高い水準になりそうだ。PCE物価指数は前回発表時は予想を上回る数字となり、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが長期化するとの観測が拡大。金利は上昇、株価は下落した。2月の数字が再び予想を上回るサプライズとなれば、FRBによる利上げの必要性が改めて意識される可能性もある。

PCE物価指数の事前予想は4.7%

PCE物価指数はFRBが物価動向を判断する際に重視する指標。ロイター通信がまとめた27日時点でのエコノミスト予想によると、2月のコア指数の伸び率は4.7%になると見込まれている。2月24日に発表された1月の数字(4.7%)と同じ値で、物価上昇率は高水準ながらも加速はしない見通しだ。

ただ、2月の数字が上振れすれば、市場が動く可能性もある。1月の数字は発表前のエコノミスト予想(4.3%)を上回るサプライズで、発表当日の10年物米国債利回り(長期金利)と2年物米国債利回りはそろって上昇。一方、S&P500種株価指数は前日終値比1.1%安、ハイテク企業が多いナスダック総合指数は1.7%安となった。約2週間前に発表された1月の雇用統計でも非農業部門の就業者数が予想を大きく上回ったこともあって、市場では物価上昇圧力が強いとの見方が浸透し、「FRBの利上げが長期化する」との観測が強まったためだ。

3月発表の経済指標には強さ

3月に入ってから発表された経済指標も米国経済の強さを感じさせている。10日に発表された2月の雇用統計では非農業部門の就業者数が31万1000人増となり、事前予想の20万5000人を上回った。14日発表の2月の消費者物価指数の伸び率は総合指数は6.0%、コア指数が5.5%。いずれも事前予想通りだったが、物価上昇率が強いことに変わりはない。

10日にシリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻が発表されて金融システム不安が広がったため、このところの金融市場では米国の先行き不透明感が材料視されている。しかし2月のPCE物価指数が予想を上回れば、改めて物価上昇圧力の強さが意識される可能性がある。

FRBは21、22日の連邦公開市場委員会(FOMC)で物価上昇を警戒し、金融システム不安がおさまり切らない中でも0.25%の利上げを決めた。パウエル議長はFOMC後の記者会見で、「物価上昇率は昨年半ばからいくらか弱まったが、最近の経済指標は物価上昇圧力が高いままであることを示している」と述べている。


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