米国の原油在庫減少で日本のエネルギー株が上昇
イラク北部クルド自治区経由の原油輸出が停止し、米国石油協会(API)が原油在庫減少を報告したため、原油先物と日本のエネルギー株が上昇している。
米国石油協会(API)が原油在庫の減少を公表したため、3月27日から日本のエネルギー株が上昇している。原油価格には過去12ヶ月間、大きなボラティリティが見られた。現在はインペックス(1605)とエネオス(5020)の株価が好調だ。
米国石油協会の週刊統計速報データによると、米国の原油在庫は3月第4週に600万バレル減少した。これは月間の減少幅として2022年12月以降最も大きかった。3月27日、ブレント原油先物は3ドル以上上昇し、翌28日も上昇を続けて1バレル78ドル超で取引を終えた。原油価格の上昇は、イラクが北部クルディスタン地域からトルコを経由する日量約45万バレルの輸出を停止させられたことに起因する。原油の輸送にはバグダッドの同意が必要であると仲裁裁判で判断が下されたため、この停止に至った。
銀行セクターに対する破綻の懸念が緩和されたことを受けてドル安が進む可能性があるため、海外からの買い手は原油が割安と感じるだろう。
米国の大手エネルギー会社であるエクソンモービル(XOM)は、3月24日の終値から28日までに約3.5%上昇し、107.12ドルで取引を終えた。
原油価格は過去1年間で大きく変動
WTI原油先物やプロシェアーズK-1フリー・クルード・オイル・ストラテジーETFなどの原油ETFのトレーダーは、過去1年間にわたり、大きな取引機会に恵まれた。2022年2月に勃発したウクライナ戦争と、世界的なインフレ率の上昇の影響が相まって、WTI原油先物は昨年前半に大きく上昇した。2022年6月に123ドルでピークを迎えた原油価格は、年末にかけて急落した。2023年3月20日に底値をつけたように見え、その後は徐々に上昇している。
日本のエネルギー株が上昇
3月第5週、日本のエネルギー関連銘柄は好調に推移している。中でも、インペックス(INPEX)とエネオス(ENEOS)が注目を集める。
日本および世界における石油・天然ガスの製品の探鉱・開発・生産・販売に従事するインペックスは、3月29日現在で約20カ国にわたって事業を展開している。また、同社は再生可能エネルギーの開発にも力を入れており、日本では地熱・太陽光・風力・水素発電プロジェクトに注力している。3月24日に1,353円だった同社の株価は、29日までに4.1%上昇して1,409円で取引を終えた。
かつてJXTGとして知られていたENEOSは、東京に本社を置く世界的な石油・金属コングロマリットだ。同社のエネルギー事業では、石油の精製と販売に加え、潤滑油、化学製品、高機能材料、産業エネルギーなどの生産をしている。また、石油・天然ガス開発事業では、ベトナム、マレーシア、インドネシア、米国など9カ国で30以上のプロジェクトを展開している。金属事業では、銅やレアメタルなどの非鉄金属分野などに従事し、資源の開発・製錬・精製とともに、エレクトロニクスに使用される先端材料を製造する。そのほか、使用済み電子機器・デバイスのリサイクルにも取り組んでいる。同社の株価は3月24日の462円から、3月29日には475円まで上昇した。
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