JPモルガンが好決算発表 金利収益増で実質増益を確保 株価は下落
JPモルガンの10-12月期決算は預金保険への特別負担を除けば好決算。株価は大きく上昇したが、終値はマイナス圏だった。
JPモルガン・チェースが12日の取引開始前に発表した2023年10-12月期決算は増収減益決算だった。ただし2023年3月の地銀破綻に関連して米連邦保険公社(FDIC)に支払った特別負担金のマイナス効果を除けば増益を確保している。金利収入が大幅に伸びたことが要因で、JPモルガンの株価(JPM)は12日の取引開始直後に大きく値上がりした。ただし終値では前日比マイナスとなっている。
JPモルガンの10-12月期決算は実質的な増益
JPモルガンの10-12月期決算は、総収入が前年同期比12.3%増の399.43億ドル。直前の市場予想の397.78億ドルを上回った。一方、1株当たり利益(EPS)は14.8%減の3.04ドルで、市場予想の3.24ドルを下回った。
ただしJPモルガンの10-12月期決算はFDICに支払った29億ドルの特別負担金によるマイナス効果を受けている。JPモルガンはこの負担金などの影響を除けば、1株当たり利益は3.97ドル(11.2%増)になるとしている。特別負担金は3月にシリコンバレーバンク(SVB)とシグネチャー銀行が経営破綻した際、預金保険の対象外の保険を保護したために生じた損失を埋め合わせる目的で、FDICが11月に各銀行に支払いを求めていた。
金利収益が19%増の一方、貸し倒れに関する償却も増加
JPモルガンの好決算は金利収益の増加に支えられた。10-12月期の金利収益は19.1%増の240.51億ドル。米連邦準備制度理事会(FRB)による7月までの利上げで金利水準が上がり、利ざやを取りやすくなったことが影響している。一方、貸し倒れに関する償却額は21.64億ドルで前年同期の2.4倍。7-9月期(14.97億ドル)との比較では44.6%増になっている。
ジェイミー・ダイモンCEOは決算発表に際してのコメントで「われわれは2023年を堅牢な四半期で終えた」と自信を示した。一方、ロシアによるウクライナ侵攻後の戦争の長期化や中東情勢不安定化などの不確定要素の多さには警鐘を鳴らしている。
10-12月期の好決算を受けて、JPモルガンの株価は12日の取引開始直後に175.9ドル程度まで上昇。前日終値(170.30ドル)からの値上がり率は3.2%を超えた。5日につけた終値ベースでの上場来高値(172.27ドル)も上回っており、投資家からの評価の高さを印象付けた。しかしJPモルガンの株価はその後は値下がりに転じ、12日は前日比0.73%安の169.05ドルで取引を終えている。
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