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加速する円安 投機の円売り再燃が焦点に / ドル円とユーロ円 次の焦点について

円安の加速でドル円は24年ぶりに136円台へ上昇。21日の早朝に136.71レベルまで急伸する局面あり。ユーロ円でも円安が進行し144円トライが再び焦点として浮上している。次に注目したいレジスタンスのポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

加速する円安 投機の円売り再燃が焦点に


【サマリー】
・ドル円 1998年10月以来となる136円台へ上昇
・クロス円では資源と関わりの深い通貨を中心に円安が加速
・投機的な円売りが再燃すればさらなる円安の加速を予想

・ドル円 次に注目したい2つの焦点
・ユーロ円は144円ブレイクが焦点に


・加速する円安

21日の外為市場では、円安が加速した。ドル円(USDJPY)は、レジスタンスポイントの135円ミドルを突破すると、1998円10月以来となる136円台へと上昇した。そして、本日7時過ぎに高値136.71レベルまで急伸する局面が見られた。
一方、クロス円では資源と関わりの深い通貨を中心に円安が進行した。

円相場のパフォーマンス:6月21日

基準日2022年6月20日 基準日2022年6月20日


・投機の円売り再燃ならば円安がさらに加速

今の円安トレンドの土台となっているのは、国内外の金融政策スタンスの差であることは明白だが、5月下旬以降から再び始まった円安は、投機的な動きよりも実需主導の面が大きいと考えられる。

米国の商品先物取引委員会(CFTC)のデータで投機筋のポジション動向を確認すると、5月中旬から円のショートポジションは縮小傾向にある。この点は5月の円高と整合的である。
しかし、6月に入ると投機筋はさらに円ショートのポジションが縮小したが、外為市場では円安が加速している。つまり、投機以外の理由―日銀による金融緩和政策の維持と資源価格の高騰により経常収支の悪化(貿易赤字)が状態化するとの思惑が、実需主導での円安につながっていることを5月下旬以降の動きは示唆している。

今後の焦点は、投機筋の動向である。上で述べたとおり、5月中旬から投機筋は円のショートポジションを減らしてきた。ポジションが軽くなってきたタイミングで円安トレンドが加速している今の状況を重視し、再び円ショートのポジションを積み上げてくる可能性があろう。投機筋が再び円売りを仕掛けるならば、外為市場では調整の円買いを挟みながら、さらに円安が加速するだろう。

ドル円と投機筋の円ショートポジションの動向

CFTC(6/14時点の動向)/ 週次ベース(2021年10月以降) CFTC(6/14時点の動向)/ 週次ベース(2021年10月以降)

ドル円 次に注目したい2つの焦点
・135円ミドルの維持

ドル円(USDJPY)は、レジスタンスポイントとして意識されてきた135円ミドル(135.50-60ゾーン)を大陽線でブレイクした。

次の焦点は2つある。ひとつは、ドル円が反落する局面で、上で述べた135円ミドルの水準がレジスタンスからサポートのポイントへ転換するかどうか?である。何度も相場の上昇と止めてきた135円ミドルがサポートポイントへ転換する場合、ドル円の地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。

・137円台への上昇

もうひとつの焦点は、137円台への上昇である。137円トライのシグナルとして注目したいのが、このレポートで何度か指摘してきたフィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準136.68レベルの突破である。本日早朝にこのテクニカルポイントを一時ブレイクする局面が見られた。今日以降、ドル円(USDJPY)が136.68レベルを完全に突破する場合は、一気に137円台へ上昇する展開を想定しておきたい。

ドル円が137円台の攻防へシフトする場合、フィボナッチ・プロジェクションでは76.4%の水準139.11レベルが次のレジスタンスポイントになる。

なお、1998年9月にドル円は137.23レベルで反発が止められ、その後に急落した経緯がある。ドル円が137円台へ上昇する場合、137.20台を確実に突破できるかどうか?まずはこの点を確認したい。

ドル円のチャート

TradingView 日足(今年2月以降) TradingView 日足(今年2月以降)

ユーロ円は再び144円の攻防へ
・144円ブレイクなら145円トライが次の焦点に

クロス円でも円安が加速しているが、ユーロ円(EURJPY)は144円を再びトライする展開となっている。ユーロドル(EURUSD)での下落リスクは警戒すべきだが、上で述べたとおり実需主導での円安が加速していること、そして投機筋が再び円安トレンドに追随してくる可能性があることも考えるならば、目先のユーロ円は144円の突破を想定しておきたい。

実際にユーロ円が144円台の攻防へシフトする場合、フィボナッチ・プロジェクションでは61.8%の水準145.00レベルが次のレジスタンスポイントとなる。

・142円台の維持

一方、ユーロ円(EURJPY)の反落局面で注目したいのが、142.00レベルの維持である。6月に入りこの水準は、レジスタンスとしてもサポートとしても意識される局面が見られた。よって、ユーロ円が反落してもこの水準がサポートポイントとして意識される場合は、上で述べた145.00トライを意識する展開が続くと予想する。

ユーロ円が142円以下の攻防となっても、短期サポートライン(3月7日安値124.39基点)を下方ブレイクしない限り、やはり145.00トライを想定しておきたい。

ユーロ円のチャート

TradingView 日足(今年2月以降) TradingView 日足(今年2月以降)

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